2009年12月28日月曜日

農水省曰く:農水分野に30兆円使えば温暖化ガスを8%削減できる

あらら、やっぱりこう来ましたか:
農水省;農水分野で30兆円かければ温暖化ガスを8%削減可能:"農林水産省は、今後10年間で30兆円規模の費用を森林の整備などにあてれば、農林水産分野の取り組みだけで、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年と比べておよそ8%削減できるという試算をまとめました。"

世界の途上国は、地球温暖化は途上国にとっての絶好の儲けチャンスと捉えている。だから彼らはえげつなくエゴと自分たちへの利益誘導を主張した。農水省のやろうといていることも、それと同じ。いつ来るかと思っていたら、案の定、言ってきました。

ニッポンの都市勤労者や商工業者はどんどんビンボーになっているというのに、彼らは何もしないでお金を貰えるようになったばかりか(農家戸別所得保障制度)、温暖化恐怖ヒステリーに乗じて自分たちへの更なる利益誘導(30兆円)を図る。あまりにもえげつないのではありませんか。「強欲呉れ呉れ資本主義」はニッポンにおいてはイナカに蔓延っているのである。

2009年12月27日日曜日

NHK「地球アゴラ」:アメリカで働く日本人音楽療法士……よかった! 

最近のNHKとしては秀逸な作品。おいらも感動してしまった:
NHK 地球アゴラスペシャル「残された日々にメロディーを~アメリカ・ホスピスの音楽療法」: "アメリカのホスピスで音楽療法士として働く日本人女性肥後谷梓さん(28)。在宅で末期がんなど重い病と闘う患者の心を癒すためにギターを弾き、やさしく歌う日々に密着。"

ステージで喝采をあびるだけが音楽家の仕事ではないと悟ったこの日本人女性は、フロリダでとても意義のある仕事を続けている。非常に感動的な番組。でも、何で彼女は同じような仕事を日本に見つけることが出来なかったのだろうか?

多分、ニッポンの介護制度は、お上が一律に決めるメニュー以外のサービスは認められていないからだろう。そのくせ莫大なコストが掛かっている。しかし、そのほとんどが冷房の効いた職場で働く事務職員たちのお給料に化けてしまうのだ。制度は利権化し、硬直化し、官僚化してしまっている。

彼女の歌を聴いた患者達の表情の変化は驚くばかりである。都合のいい事例ばかりを集めたのかも知れないが、番組で紹介された数件の実例を見るだけで、その効果は圧倒的だ。数件見れば十分である、映像はウソはつかないのだ。

彼女のような素晴らしい人材は、どんどんニッポンを逃げて行っている。現代ニッポン政治の惨状を見れば頷けないでもないが、残るのはおいらみたいな役立たずばかりか。

2009年12月25日金曜日

やっぱり「ニッポン脱出」しかないのかな

この記事。憂鬱極まりないけれど、こういう方向にニッポンは向かっていると思う:
財政赤字はフィクションか - 池田信夫blog - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース: "考えてみれば、ハイパーインフレで戦争のように人命が失われるわけでもない。老人の資産が消滅して世代間の不公平がなくなり、実質賃金の切り下げによって新興国との賃金格差もなくなる。チェ・ゲバラを尊敬して「革命的政策」を求める亀井氏が、そういう日本経済の「自爆」を求めているとすれば、意外に正しいかもしれないし、それしか道は残されていないような気もする。"

おいらの現在の関心事は、今の消費税が安いうちに、自分のヨットを、いかにして長距離が航海できる「近海仕様」にグレードアップするかと言うこと。ここ。現在のニッポンの規制システムでは船の改造に法外なおカネがかかるが、いざとなればこれで住居を何処にでも移動できるのである。「安心」を得るためにはこれしかない。

近海区域とは:



ヨットに関心がない人はヨットに拘る必要はない。どういう手段でもいいけれど、みんな、いざとなれば「ニッポン脱出」が出来る「すべ」を用意しておくべきだと思う。

ニッポンのバラマキ政策はフランス並み。でも、フランスの消費税は19%だ。ただでは何も手に入らない。フリーランチ(ただ食い)は、残念ながら、継続不可能なのである。無理やり「ただ食い」を続けながら「バラマキ」に期待し続ければ、アルゼンティンみたいに「みんな仲良く一緒に」悲惨な状態になる。国民全体が「分配と自分の取り分」しか考えない「欲張り人間」に堕落するから、民度も低下するので、経済と文化が劣化するのである。

悲しいことである。

2009年12月18日金曜日

NHK特報首都圏「“ゆとり”と言われる若者たち」……ダメなのは「ゆとり以前」の世代じゃないのか?

この番組:
NHK特報首都圏「“ゆとり”と言われる若者たち」: "小学校からゆとり教育を受けてきた“ゆとり世代”と呼ばれる若者たち。インターネットや携帯電話など、新しい情報インフラのなかで育った彼らは、価値観や行動がこれまでの世代と大きく異なるといわれている。企業の人事担当者は「自分らしさを大切にする一方、自己中心的」「まじめだが失敗を極端に恐れる」といった特徴を挙げ、それに合わせた採用・育成戦略も取り始めている。ゆとり世代とどう向き合っていくのかを考える。"

番組では、年齢が高い世代の連中が「ゆとり世代」が如何にダメかを力説する。ちょっとおかしい。ダメなのはそいつらの方じゃないのか?

散人の個人的経験から言えば、若い「ゆとり世代」はそれより前の世代より、よほど社会的トレーニングを受けていると感じる。コンビニとかファミレスなんかでは、誰もがそれを実感するだろう。

「ゆとり世代」が職を見つけられない、だから雇用問題「全体」を何とかしろとNHKは示唆する。でも根本問題は現代の不況にある。ニッポンの雇用全体が脅かされているのだ。日本のすべての産業において、過剰雇用問題が存在する。30〜40歳以上の世代は、それを正しく認識しているが故にこそ、自分の「メシの種」(職)を確保するために、自分の雇用を脅かす自分より若い世代を、あいつらは「無能」であるとして攻撃するのだ。

ニッポンが落ち目であることは、誰もが認めるところ。その原因は、戦後の自民党「ばらまき政治」のおかげで(それはいまの民主党が継承しようとしている政治であるのだが)、みんなが働かなくなって、ニッポン国民は人のおカネを当てにして「呉れ呉れ」大合唱をするだけの民族になりさがったということにあるのだ。

今となってはみんな全員の所得を減らす以外には、この危機に対応のしようがない。それに目をつぶり、自分のお給料だけはいままでのままに守りたいという「ニッポン既得権中高年」の自己防衛意識が、「ゆとり世代」たたきと、彼らの就職難につながってきているのである。新規参入者を締め出そうとするのは衰退社会の特徴である。

いまの苦境を打破するには「世代間自由競争」が必要だと思う。それさえ実現すれば多くの無能な中高年が整理されることで、国民経済は新たな合理的な均衡点を迎えるのではないか?

2009年12月17日木曜日

「沖縄にカジノを」(亀井静香)……この人もたまにはまともなことを言う!

このニュース:
asahi.com(朝日新聞社):亀井氏「沖縄にカジノ特区を」 雇用・所得増を期待 - 政治: "亀井静香金融相は17日、閣議後の会見で、沖縄の経済対策として「カジノ特区」の導入を訴え、「沖縄が総合レジャーの中心地になれば雇用の面、所得の面で大幅なアップが期待できる」と述べた。亀井氏は政府・与党内でも反対は少ないとしているが、前原誠司国土交通・沖縄担当相は地元の要望次第との立場で、実現可能性は不透明だ。"

でも実現は不透明というより、不可能だろうね。社民党のPTAおばさん連中が反対するから。

人は賭博の本能を持っている。資本主義の原動力でもある。それを無理に「規制」するから、それで食う犯罪組織が蔓延る。PTAおばさんが主張し、それに迎合して己の存在意義を主張したい優等生官僚たちが鉛筆舐めなめして作文した「規制」こそが、犯罪を作るのである。アメリカ20年代のギャングも「禁酒法」が生み出したものだ。外国人入国規制が不法滞在という「犯罪」を生み出しているのと同じ。

カジノがダメで、パチンコはいいというのは、理解不能。合法化すれば、少なくともショバ代は日本に留まる。

沖縄の人も、自分の食い扶持は自分で稼ぐことが出来るようになる。これこそ地方自治の精神。他の地方自治体も真剣に考えるべきだ。

2009年12月16日水曜日

NHK「ためしてガッテン」:パックモチで「つきたて餅」を作る方法

これ:
つきたてに変身!パックもちで至福の正月を : ためしてガッテン - NHK: "「あっという間につきたてもち!」

日本人が大好きな「おもち」。
中でも“つきたて”は格別おいしいですよね。
ところが、家で「もちつき」をすることが少なくなった今、
主流は「パックのおもち」です。

“つきたて”に比べると味気ないなぁ
“つきたて”はもう食べられないのかなぁ
なんて諦めていませんか?

そこでガッテンは、
「パックのおもち」を“つきたて”に変身させたい
という夢に挑みました。

パックもちのあるヒミツを知るだけで、
あのコシとのびが実現!
生まれ変わったパックもちで、
お正月の幸せ気分は倍増ですよ!"
でも、何で「つきたてモチ」に拘るのか、そのへんが分からん。

「ためしてガッテン」によれば、フライパンに油を敷き、パックモチを入れて焼き、水を入れて、7分間弱火で放置すれば、「懐かしい」つきたてモチと同じ粘度になるという。

おいらの実家(兵庫県西宮)は農家ではなかったが、家に足踏み式の餅つき機があった。それを使って正月前には家族でモチを作ったが「つきたてモチ」なぞ食った記憶はない。作ったモチは全部正月用の切り餅にした。正月前にモチを食うなぞ、トンでもないことだったのである。だからモチは、餅つき後二週間ほど保存したモチを加熱して食っていたし、モチはそういうもんだと思って育った。モチをつきたてで食う習慣はなぞは特定のイナカの習慣ではないのか?

番組では中国料理の専門家なんかが出てきて解説していたが、中国ではニッポンみたいな粘りのあるモチは食わないという。そういえば韓国でもそうだ。ニッポンのつきたてモチは、粘りがありすぎるので、毎年正月にはお年寄りがたくさん死ぬ。そうまでして「つきたて」を食うもんでもないだろう。「パックモチ」を普通に加熱して食うので十分である。おいらもその方が好きだ。

これに限らず、現代ニッポン人は食い物へのこだわりが過剰で、みっともない。少しでも食い物を高く売ろうとするイナカ利権集団の宣伝に毒されたあまり、こういうことになったのだと思う。

2009年12月15日火曜日

映画「わらの犬」の題名は老子の言葉から来ていた!

エッヘン、散人はいま思うところがあって、山中湖の図書館で借りた本で老子さまの言葉を読んでいる。明治書院から『新釈漢文体系』という大部の書籍が出ているのだが、こういったものは図書館でないと読めない。老子の残した言葉はそれほど多くはないので、二三日もかければ全部読める(はず)。最初の方に妙に気になる文章が出てきた。これ:

天地不仁
以萬物為芻狗
聖人不仁
以百姓為芻狗

天地不仁
萬物を以て芻狗と為す
聖人不仁
百姓を以て芻狗と為す

解説によれば「芻狗」とは「藁の犬」の意味。祭祀に使用し儀式のときは崇められるが儀式が終わると道に捨てられてゴミとして扱われる。この文章の大意は、天地はいわゆる仁などという人間的な愛情は持っていない。天地は万物を使用すれば捨ててしまう藁の犬のように扱う。聖人も同じで、彼は万人に対して仁などという愛情を抱いているわけではなく、人が藁の犬に対するときのような態度で万民を扱う、といったものだそうだ。まさに「身も蓋のない」現実を描いている文章だと思うが、こういう虚無的な考え方って、いいな。

その後に日本の学者による浩瀚な解説が数ページにわたって続くのだが、そんなものは読み飛ばした方が面白い。それより「藁の犬」が気になった。

昔々見たアメリカ映画で、とてもショックを受けた映画があった。温和しい人も殺さないような学者が妻の生まれ故郷であるイギリスの田舎に越してくる。地元の無教養で暴力的なイナカモノとのトラブル。温和しい学者の旦那も、妻を強姦されたり、友人を殺されたりして遂に切れて、それから目を背けたくなるような暴力的復讐行為を開始する、というお話し。あれは映画史上最強の暴力映画ではなかったか。題名は「わらの犬」。

当時のおいらには映画のタイトルの意味は分からなかったが、今日老子を読んでいて、これはひょっとしてこの老子の言葉から來ているのではないか気がついた次第。さっそく調べてみた。そうだったんですね〜。これ:
わらの犬 - Wikipedia: "『わらの犬』(Straw Dogs)は、1971年度製作のアメリカ映画である。監督はサム・ペキンパー。日本では1972年4月公開。争いを好まない平和主義者が、周囲からの卑劣な仕打ちに耐えかねた挙句、内なる暴力性を爆発させてしまうという、ペキンパーの諸作品でも特に異彩を放つ問題作である。主演は『卒業』、『レインマン』の名優、ダスティン・ホフマン。タイトルは、『天と地は無常であり、無数の生き物をわらの犬として扱う。賢人は無情であり、人間たちをわらの犬として扱う』という老子の『語録』から引用したもの。わらの犬は、“護身のために焼く、取るに足らない物”という意味。"

今日は勉強できて、とても有意義な日となった。

それにしても、西欧人は老子とか荘子が好き。旧約聖書と似ている部分があり親近感を感ずるのだろう。それに対して、日本人と韓国人は孔子さまが好き。儒教の影響はいまだに強烈である。外国の、それも一つの宗派を、国家の原理としてしまった民族の悲しさでもある。

本家の中国人はどうかというと、どっちも信用していないみたいなところがあり、面白い。本家の余裕か。

日立CB:上場と同時に5%アップ!

こわごわ申しこんだんだけれど、日経平均が値を下げる中、日立のCBは上場と同時に値を上げている:
CB検索: "日立製作所 130%コール付 8回CB 現在値 105.60↓(10:39)"

どういう風の吹き回しだろう?

即、売り抜けるのもいいな。

2009年12月14日月曜日

「宮内庁長官は辞表出してから言うべき」(小沢一郎)

これは、正論だと思う:
小沢氏、宮内庁長官は「辞表出してから言うべき」特例会見問題で - MSN産経ニュース: "民主党の小沢一郎幹事長は14日の記者会見で、天皇陛下と中国の習近平副主席の会見をめぐり、政治利用にあたるのではないかとの懸念を表明した羽毛田信吾宮内庁長官について「内閣の一部局の一役人が内閣の方針についてどうこう言うなら、辞表を提出してから言うべきだ」と述べた。"

民主党のバラマキ政策にはうんざりしているが、これについてはその通りだと思う。ここにも書いた。

世の中には「虎の威を借りて」エラソーなことを言う小人が多いんだよな〜。手前の分限をわきまえるべきである。

これと同じような実例は、例示するとキリがない。政治的お題目となった「流行のスローガン」は「虎の威」となることが多いのだ。だから危険なのである。

2009年12月13日日曜日

『蜘蛛の糸』のカンダタもニュートン力学を知っておれば自分だけ助かった!

今朝の日経新聞を読んでいて思わず大笑いしたコラムがあった。最終ページにある歌人の小池光氏の「うたの動物記」。歌人がニュートン力学を語る。さらにお釈迦様が垂らした蜘蛛の糸をよじ登っていて自分だけが助かろうとして地獄に逆戻りしてしまったカンダタも、「うまくやれば」本当に自分だけ助かることが出来たと述べる。「ポリティカリー・ノット・コレクト度」100%。座蒲団三枚。あまりに面白いので要旨をご紹介。メモだね。

要旨:
芥川龍之介『蜘蛛の糸』。カンダタがお釈迦様が垂らしてくれた蜘蛛の糸にすがって地獄からの脱出を図る。振り返ると無数の亡者がわれもわれもとすがってくる。「この蜘蛛の糸は俺のものだ、下りろ、下りろ」と叫んだ瞬間、糸が切れて自分も地獄へ再転落してしまう、という誰もが知る話。

だがこのとき、掴んだ手の下のところで糸が切れればカンダタだけは助かった。ゆっくりと徐々に引けば手の上で切れ、一気に引くと下で切れる。ニュートンの慣性の法則の教えるところである。芥川はニュートンの法則を知っていたのかしら。


たぶん芥川龍之介は、ニュートン力学なんかには関心がなく、自分の「みんな一緒」哲学を強調したかったのであろう。芥川龍之介の考えは、「みんな一緒に極楽に行くことを考えるべきだ。自分だけ助かろうとする根性はさもしい。みんな一緒に極楽に行くのでなければ、みんな一緒に地獄に留まれ」というもの。考えてみれば、まことにニッポン的な「みんな一緒にお手々つないで仲良く楽しく」哲学ではないか。この哲学は昨今始まったものではないのである。

この芥川哲学は、みんな一緒に大国化し、みんな一緒に惨めになり、またみんな一緒に経済発展した昭和の時代には、確かな合理性を持ったものであった。でもいまからの時代はどうなんだろうね。

昨今の政治を見ていると、ニッポンは確実に「アルゼンチン化」しつつあると思う。第二次大戦前までは、世界一の生産性を誇ったの農業部門の存在のおかげで世界有数の豊かな国であったアルゼンチンも、稼ぎのある農業部門からオンブに抱っこの工業部門に所得を移転するというペロン以降のバラマキ・ポピュリズム政治のおかげで、稼ぎ手である農業部門は全くやる気と勢いをなくし、人のおカネに頼る工業部門はいつまで経っても発展途上のままで、結局国民は完全に生産意欲を失い、「政府からいくら貰えるか」ばかりを気にする国民に成り下がり、国は急速に衰退していった。「農業」と「工業」を置き換えると、全くいまのニッポンでそのものある。

苦しいときは「みんな一緒に堪え忍ぶ」というのは道徳的な意味もあるが、「みんな一緒に人からお金を貰うことばかり考える」というのは、道徳的堕落としかいいようがない。こんな「みんな一緒」からは、自分だけでも脱出を図るべきである。

そのためには「ニュートン力学」ばかりでなく、いろいろ勉強しておく必要があるね。

2009年12月12日土曜日

COP15作業部会議長草案:「エコ・ヒステリーの国が自分だけでやればいいのじゃないの?」

COP15の作業部会の議長国が作った草案だという。ニッポンはまたしてもバカを見てしまった:
NIKKEI NET(日経ネット):京都議定書の継続提示 COP15作業部会草案、日欧に削減義務: "【コペンハーゲン=生川暁】今後の国際的な地球温暖化対策を話し合う第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は11日、事務レベルで協議を進めている作業部会の議長が京都議定書を2013年以降も継続することを柱とする草案を各国に提示した。日欧など一部の先進国だけが引き続き温暖化ガスの厳しい削減義務を負う内容。"
「これこそが正しい」と言って「原理主義的」に温暖化対策をニッポンは主張してきただけに、今さら「みんながやらないんだったら、や〜めた」とは言えない。コミットメントに対する責任と国民負担だけが残ることになる。

こうなることははじめから分かっていたことだ。地球温暖化に関する科学的知見が一致していないばかりではなく、そもそも「温暖化で何処が悪いの?」という根本的な疑問に、エコロは答えていないのである。当然COP15は、「このエコ・ヒステリー・ムードに乗じておいらはどれだけ儲けるか」という現実的な連中の間での利害対立の場となってしまった。

いまや「エコ」は儲かる商売となってしまったのである。だからすべての発展途上国やリアル・ポリティックの国は、温暖化なんてほとんど信じていないにもかかわらず、「どれだけおカネをくれるの?」とか「これでどれだけおいらの発言力を高めるか?」いうスタンスで会議に臨んだ。儲かるネタであるからこそ、地球温暖化は地球の危機だという命題が「世界全国」に支持されたのである。

ハトポッポ君や、(住宅の暖房設備が世界でも一番貧しい国であるにかかわらず)地球温暖化を防止しようとしたニッポンのエコロたちは、とてもナイーブ。今後どんどん毟られるだけだ。嘆かわしいことである。


蛇足:むかし朝日新聞社の記者でエスキモーの生活を実体験したレポートを書いて有名になったのがいる。彼はトナカイの生肉を食いながらエスキモーの家に住んでみたのだが「ニッポンの住宅より暖かい!」と言って感激していたのが印象的だった。ニッポンの住宅の暖房設備は世界的に見ても原始的なフエゴ島の住民並みにひどい。住宅「全体」を温めるという暖房の基本概念を満たしているニッポンの住宅はまだまだ少数派だ。今年の冬は寒くなると言う。エコロはせいぜい暖房を止めて地球温暖化防止に協力したらいい。おいらはごめんだ。

2009年12月11日金曜日

天皇陛下と会うには「1ヶ月」の事前申請が必要であり、今回は極めて遺憾(宮内庁長官)

おやおや、このニュース:
ANN NEWS: "陛下と海外からの賓客との面会は、1カ月前までに調整を始めることが2004年から政府内での取り決めとなっています。宮内庁によると、習近平副主席との面会については先月26日に突然、打診があり、政府の「日中関係の重要性にかんがみ」という強い希望で従来のルールを適用しないことになりました。羽毛田長官は、会見で「ルールは、国の大小にかかわらず実施してきて、政治的重要性で変わるべきものではない」と話し、陛下の政治的利用につながる可能性を指摘しました。「こういうことは2度とあってほしくない」としています。"
こう言う前例踏襲主義こそ「お役所仕事」と言うんじゃないのかね。

おいらも、いまお役所と戦っている最中。ヨットに搭載する国際VHFという通信機器なのだが、国際的にはごく普通に使われている機器であるにかかわらず、ニッポンでは「天文学的」に煩雑な役所との手続きが必要(ここ)。ニッポンでは「民には外部との通信手段を持たせるな」ということが戦前からの伝統となっているらしい(ゾルゲもスパイ罪の立証は難しかったが、結局、自宅に短波無線機を所有していたと言うことが決め手となりスパイ罪が成立した)。国際VHFはようやく規制緩和されて申請すれば使えることになったのはいいけれど、申請から「予備免許」まで実に1ヶ月以上かかった。本免許までどのくらい時間が掛かるかはまだ分からない(同じようにアマチュア無線の免許取得にも1ヶ月かかる)。天皇陛下とお会いするにも「1ヶ月」の事前申請だというのも、これに似ている。

お役所がこうまで時間を掛けて「入念に」審査することは、一種のサボタージュであるといっていい。国民経済にとって多大の「桎梏」となっているのである。

2009年12月10日木曜日

NHK「クロ現」:日本の果物が地球温暖化でたいへん!

いつもながら、クサイ番組をやってます。「クロ現」:
クローズアップ現代 NHK12月10(木)放送 くだもの異変!?:"秋に食べるぶどうやモモ、冬に楽しむりんごやみかん・・・。日本人が「季節の味覚」として楽しんできた身近な果物に異変が起きている。色づきなどの品質が悪くなったり、果肉がやわらかいものが増えたり、さらに、従来楽しんできた季節に食べられなくなったりする事態が生まれているのだ。この冬も、みかんやりんごの日持ちが悪いとスーパーでは頭を悩ましている。最近になって、これらの原因が温暖化によるものだとわかってきた。"
平均気温が一度「も」上がったせいで高級果物店で一個1400円で売られていたリンゴが異変を受けて売れなくなっているという。一箱2万円の果物詰め合わせも、特定の果物が大きくなりすぎたので「箱のバランスがとれなくなった」から大問題だとのこと。アホらしい。おいらはそんなバカダカイものは、はじめから買わない。

高級リンゴがなくなって大問題だという消費者も紹介されていたが、たかがリンゴに一個1400円も払うお金があるなら、歯医者さんに行った方がいいというようなお顔だった。ニッポンはどこかがおかしい。

気温が上がって損した県もあれば、得した県もある。全国的には中立だ。ところがNHKは既得権集団の現状利権維持をいつも第一に考えるから、これは「大問題」だということになる。環境論者とは基本的に「既得権の現状維持」が一番大切だと考えている人種なのである。超保守主義者なのだ。

ところで、クニヤは最近「ニッポン、ニッポン」を連呼しなくなった。今日も「ニホン」と普通に発音していた。どういう風の吹き回しなんだろう?

2009年12月9日水曜日

BBC : 地球温暖化のおかげでヨーロッパの文明が生まれた!

これは実にいい番組だった:
BS朝日 - BBC地球伝説:"そして、今からおよそ1万年前、再び地球の軌道が変化し、長く続いた氷河期は終わりを告げた。100年足らずの間に気温は10度も上昇し、氷河は一気に溶け始める。何万年分もの雪解け水でヨーロッパ大陸の川は勢いを増し、川の氾濫によって多くの湖が生まれた

大陸中を覆っていた氷河が溶けたことで海面の水位は100メートル以上も上昇し、新たな海岸線が生まれた。これによって、ヨーロッパ大陸の輪郭が、現在とほぼ同じになったのである。ヨーロッパの気候は暖かく穏やかになり、大陸は再び森で覆われ、生命に満ち溢れた。氷河期の到来と終結が、ヨーロッパ大陸の地形と生態系を大きく変えたのである。"
わずか1万年前だったと言うことに、正直感動。ほとんど「歴史時代」の出来事である。気候が変動することで新たな文明が生まれる。「地球温暖化防止原理主義者」達は、この番組をどう見たのであろうか。

そもそも「地球温暖化」なんて本当なの?という「地球温暖化懐疑主義」がヨーロッパで広がっているという:
Climat : le scepticisme, un nouveau poujadisme ? | Rue89: "L'unanimisme qui entoure le sommet de Copenhague a mis à la mode les théories climato-sceptiques.."

www.com-vat.com: "Le bitume est une jungle. Et dans la jungle, il faut apprendre à hurler avec les loups (oui, oui, je sais, il n'y pas de loups dans la jungle. C'est juste une image)."

ハトポッポ君は、きっとこれが「ナウ」なテーマだと思って飛びついたんだろうけれど、実際は「アウト」なテーマだったのである。ニッポンだけが馬鹿を見ることが、日に日にあきらかになりつつある。「エエカッコシイ」君のパフォーマンスのコストを払わされるのはわれわれ納税者。やりきれない。

おいらは地球物理学の専門家でもないので、地球温暖化が本当かどうかという議論には興味はない。自分が完璧に理解できないことは信じない主義なのである。しかし、かりにその仮説が正しいとしても「温暖化」も悪くないんじゃないかと昔から思っていた。それ以上に、たかがちっぽけな人間が地球の気候変動を左右することが出来るという「思いこみ」には嫌悪感をおぼえる。身の程を知らない不遜な企てだ。神様が知ったら、きっとお怒りになるだろう。

2009年12月8日火曜日

昼下がりの Veloce は、サラリーマンでいっぱい!

四谷三丁目の Veloce は広くて居心地がいいので好きなのだが、最近やたらに人が多い。今日も、午後二時頃行ってみると、サラリーマンやOLでほとんど満席。勤務時間中だというのに、彼らはいったい何をしているのだろう?

ほとんどが一人客で、ケータイを操作したり、文庫本を読んでいたり、様々なのだが、仕事はしていないように見える(中にはパソコンを取り出して、さも仕事をしているような振りをしている人もいるけど、サボリの先輩(おいら)の目から見ると、あれは「振り」だけであるのがミエミエ)。みんな仕事をさぼっているのである。

不況で仕事が少なくなったのか、サラリーマンたちは時間を持てあましているように見える。それでもお給料は貰えるのだ。忙しく働いているのは、安い賃金でこき使われている Veloce のパートの店員だけ。お客の正規雇用のサラリーマン諸兄は、時間を持てあまして、さぼっている。

これはコンビニでも同じ。いそがしく真面目に働いているのは、アルバイトの中国人の店員だけで、お客は雑誌を立ち読みしたりして、やたらのんびりしている。

ニッポンの会社はいったいどうなっているのだろう? 心配になってきた。


蛇足:喫茶店なんかでさぼらずに会社に戻ればいいのかというと、そうでもない。会社の事務所でも、同じように仕事をしている「振り」だけの連中が多いんだな〜。公務員なんてまさにその「振り」だけに生きているような人種。エライとか言うNPOなんかも、所詮その類。ニッポン全体にこの「Veloce 現象」が蔓延しているのである。

2009年12月7日月曜日

すき屋の280円牛丼は、うまい!

ハトポッポ君が引き起こす憂鬱なニュースばかりが続くニッポンにおいて、ひさびさのグッドニュース:
asahi.com(朝日新聞社):すき家の牛丼、40〜50円値下げ 並盛り280円に - ビジネス・経済: "牛丼チェーン最大手の「すき家」を展開するゼンショーは7日、牛丼並盛りの価格をこれまでより50円安い、税込み280円に引き下げた。"

さっそく行って食べてきましたよ。

とっても美味しい。今までいわゆる「ランチ」にバカダカイお金を払わされていたのは、いったい何だったんだろうというのが素朴な実感。

ニッポンの「食い物ビジネス」はもともと利幅が大きいので、ちょっとした工夫だけでめちゃめちゃ儲かるとは「業界」の人のお話。裏返して言えば、巨大広告会社を駆使して作られた神話(ブランド)に拘ってきた今までのニッポンの消費者は、ぼられていたのである。「工夫次第で」牛丼も280円になるのだ。

働きがないのに自分だけはいい思いをしようと画策する輩が多すぎるのがニッポンの根本問題。生産性はほとんど江戸時代のまま極度に悪いにもかかわらず、これこそ「ニッポンの伝統文化だ」とか言っておいらにも人並みの収入を保証しろという身勝手な連中が多いのである。おかげでニッポンの国際競争力は、惨めなまでに低下してしまった。

すき屋では、牛丼ばかりじゃなくって、メニューに選択の幅が広いことも好感が持てるね。「高くとも買います○○品」とかいうこだわりの人は無駄遣いすればいい。大いに結構。でも、そんなものに無駄なお金を使いたくないという人にも選択の余地が与えられてしかるべきである。ところがニッポン社会においては、あまりに選択の幅が少なかった。誰もが、お上が決めた価値基準を強制され、一律にバカ高い値段を払わされていたのである(地球環境のために国民一人あたり年間数十万円余分に払えとか言うのも同じ「お上」の理屈)。この280円牛丼は「アリの一穴」だ。

すき屋よ、ニッポンのためにもガンバレ!

2009年12月3日木曜日

オリックスCBは売り

去年年末に買ったオリックスCBを売り抜け。@107.70円。買った途端に大暴落した話題のCBだが、何とか値を持ち直した。一年で7.7%の利幅なら悪くはない。急いで利食い。

気をよくした勢いで日立のCBを買う。でもどうなんだろうね。民主党の「環境にやさしい」政治じゃ、みんなビンボーになってお仕舞いとなりそうなんだけれど、あまり悲観的になりすぎるのもよくないと思うから、おカネはドブに捨てたつもりで「ひょっとしたら儲かる」に賭ける。

三井住友銀行の個人向け劣後債

この社債:
個人向け社債ウォッチ!: 三井住友銀行が個人向け劣後債発行!

証券会社によって、取得可能なところと、そうでないところがあるようだ。

先週から大和の東京支店に申し込んでいたのだが、今日になって一口も取れないと言ってきた。取れないのはこれが二回目。実力がまるでない。

しょうがないので野村の本店に頼むと、いくらでもどうぞとの返事。これも二回目。ノムラ本店には潤沢に配分があるようだ。

実力がない株屋と付き合っていると、損をする。同じように、アホと付き合うと時間を無駄にすることが多い。

2009年11月23日月曜日

イタリアの「スローフード」文化には、種も仕掛けもある!

昨今のテレビでは、農村エコロによるイタリア賛美が繰り返されているのにはいささか辟易している。今日の日テレの番組もその一つに分類されるのだろうが、重要な「事実」が(制作者の意図に反して)明らかになった。この番組:
BS日テレ 小さな村の物語 イタリア: "#56 ヴェレッツォ・ロメッリーナ (ロンバルディア州)
イタリア北部。ミラノから車で1時間半ほどのロメッリーナ地方は、イタリア一の米どころとして知られている。
その真ん中に位置する村、ヴェレッツォ・ロメッリーナは、この時期、一面黄金色の実りに抱かれる。春夏秋冬、村人たちは田んぼの営みの繰り返しとともに歩んできた。もうすぐ収穫の季節を迎える。
《主な内容》
代々続く農場の跡取り、家族で営む村唯一の大きな専業農家、村の収穫を何十年も見届けてきた元農夫・・・、米作りの村の農夫3人の物語"

番組で取りあげられた農家の農地は180ヘクタール。おまけに彼はもともとの農家ではなく昔は鍛冶屋だったという。いずれもニッポンでは制度的に不可能なことだ。

ファッショの臭いがプンプンするイタリア「スローフード主義」を賛美するのも結構だが、ニッポンの小規模兼業農家の食い扶持を保障しようとしてこういう番組が作られているとすれば、それは見当違いだ。やるべきことはまるで逆だろう。

ニッポンでは農家以外が農地を買うことはほとんど不可能。ものすごい参入障壁がある。それはたとえ「三反」でも農地さえ保有しておれば生活が保障されるという戦後の自民党政権によるイナカへの利益誘導政策のおかげで、農地自体が巨大な既得権益と化してしまったからである(よそ者にはそんなうま味のある飯の種を売るわけにはいかないと言うことで農家以外による農地の保有は事実上禁止されている)。ニッポンでは鍛冶屋が農地を買うなんてことはあり得ないのである。

鍛冶屋が買った農地の広さにも驚倒。狭いイタリアなのに180ヘクタールだ。それでも生活は苦しいという(換言すればそれだけ安く消費者に農産物を供給していると言うこと)。ニッポンの農家の平均農地面積はせいぜい三反(0.3ヘクタール)ではないのか。それで生活が出来ないのは当たり前だが、三反でも生活できるように農家の生計を保障しようとする農業政策が政治的に推進されている。トンでもない時代錯誤である。おかげでニッポンでは10ヘクタールも持っておれば(国際的には極小零細農家にすぎないけれど)高所得農業者になる。あいつらがそれだけ理不尽に儲けることができるのは存在価値のない「三反農家」の存在が政治的に守られているから(三反農家でも生存できるように農産物の価格が設定されるから)である。だから農地の大規模化(生産性の向上)は一向に進まない。コストを払うのはおいら消費者。ニッポンの農家数は今の十分の一でも過剰なのである。

何十年もそのコストを払ってきたのは都市住民(産業就業者)。日本産業が元気なうちは何とかなったが、さすがにボディーブローが効いてきたので、ニッポンの国際競争力は、惨めなまでに低下してしまい、みんなビンボーになってしまった。農家が栄えて日本の農業が滅びた。日本の農業ばかりではない。扶養家族を抱えすぎた日本経済もそのおかげで滅びつつあるのである。

2009年11月19日木曜日

余丁町にヤマバトがやって来た!

雨の中、庭をごそごそは這い回っている一羽の鳥がいた。ヤマバトである。毎年もっと寒くなってからやって来るのだが、今年は早い。寒くなるのかも知れない。

荷風が余丁町に住んでいたときもヤマバトがよくやってきたそうだ。このような記述がある:
荷風塾 No9: "大正7年正月7日。山鳥飛び來たりて庭を歩む。毎年厳冬の頃に至るや山鳩必只一羽わが家の庭に来るなり。いつの頃より来り始めしにや。仏蘭西より帰り來たりし年の冬われは始めてわが母上の、今日はかの山鳩一羽來りたればやがて雪になるべしかの山鳩来るに日には毎年必雪降り出すなりと語らるるを聞きしことあり。されば十年に近き月日を経たり。毎年來たりてとまるべき樹も大方定まりたり。三年前入江子爵に売却せし門内の地所いと広かりし頃には椋の大木にとまりて人無き折を窺ひ地上に下り來たりて餌をあさりぬ。その後は今の入江家との地境になりし檜の植え込み深き間にひそみ庭に下り來たりて散り敷く落ち葉を踏み歩むなり。此の鳩そもそもいづこより飛び来れるや。果たして十年前の鳩なるや。或いは其の形のみ同じくして異なれるものなるや知るよしもなし。されどわれはこの鳥の来るを見れば、殊更にさびしき今の身の上、訳もなく唯なつかしき心地して、ある時は障子細目に引きあけ飽かず打ち眺めることもあり。ある時は暮れ方の寒き庭に下り立ちて米粒麺麭の屑など投げ与ふることあれど決して人に馴れず、わが姿を見るや忽ち羽音鋭く飛び去るなり。世の常の鳩には似ず其の性偏屈にて群れに離れ孤立することを好むものと覚えし。何ぞ我が生涯に似たるの甚だしきや。"


「世の常の鳩には似ず其の性偏屈にて群れに離れ孤立することを好むものと覚えし。何ぞ我が生涯に似たるの甚だしきや。」とはおかしい。今日やって来たのは、ひょとしたらこの時のヤマバトの子孫かも知れない。

2009年11月18日水曜日

米国の1700万世帯で「食料不足」

こんなニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):米農務省、1700万世帯が「食料不足」 1995年以降で最悪: "【ワシントン=御調昌邦】米農務省は、2008年に米国全体の14.6%にあたる1714万9000世帯が貧困などを理由に食料不足になったとする報告書を発表した。前年に比べて約414万世帯増え、比率も3.5ポイント上昇。米景気低迷を受け、1995年の調査開始以降で最悪の結果となった。
 家族全員が健康的な生活を送るために、いつでも十分な食料を確保できる状態を「安全」、それ以外を「不足」と定義した。食料不足となった世帯の3分の1強にあたる672万3000世帯では時々、食生活が崩れたり、家族の一部が食事の量を減らしたりする厳しい状況という。子供が厳しい食料不足に陥っているケースも子供がいる世帯の1.3%にあたる50万6000世帯に上った。"
今までみんな食い意地が張りすぎていたから、ちょうどいいのではないか。少しは痩せるだろう。

ニッポンにおいても同じことが望まれる。毎晩のテレビの「オイシ〜!」絶叫番組には正直憂鬱になる。モンゴロイドはそもそも飢餓対応型のDNAを持っている人種だから、ああいうノーソンへの利益誘導型のこだわり食生活を続けていると確実に肥満する。

世の中はたいへんな不況だ。新政権の政策で今後どんどん悪くなるだろう。余分な食べ物を買わないこと。これこそ、一番の自衛策だ。

2009年11月17日火曜日

イオンの転換社債の売り込みがしつこい!

おいらもよほどアマちゃんだと思われているのか、一度断ったのになんとか「一口だけでも」と泣き付かれてしまった。このCB。無利息の上に最初から2.5%のプレミアムが付いているので買って償還するまで置いておけば確実に損する仕組み。いくら世の中デフレだといってもこれじゃ買えないので断固断る。これを書いている最中にも別の証券会社からも売り込み。証券会社も売るのに苦労している模様だ。

優待券狙いをするにしても都心にはイオンの店がないのだ。あのビジネスモデルはイナカの農地をがばっと買い占めて農地転用で地主に大いに儲けて貰い、土建屋にもばんばん儲けて貰い、ばらまいたお金をイオンでどばっと派手に使って貰うことで成り立っていた仕組みなんだけれど、最近はなかなか難しいわな。(ニッポンの農家の農業所得より農地転売等不動産所得の方が多いのは知られている事実。いくらなんでもあくどすぎる)

ところで民主党は途上国に環境で大盤振る舞いを決めたらしい:
asahi.com(朝日新聞社):途上国の温暖化対策、12年までに8千億円支援 環境相 - 政治: "【コペンハーゲン=山口智久】小沢鋭仁環境相は16日、途上国の地球温暖化対策支援のため、日本が12年までの3年間に総額90億ドル(約8千億円)を拠出する方針を明らかにした。「鳩山イニシアチブ」の一環。途上国支援の具体策は、13年以降の国際枠組み(ポスト京都議定書)の合意を左右する焦点となっている。"

インドのラメシュ環境相は朝日新聞の取材に対し「日本の寛大さに敬服する。EUや米国も続いてほしい」と評価した。

ニッポンにはとてもそんな余裕はないと思うのだが、これもイナカにお金をばらまけば必ず儲かるという岡田イオン哲学か。

新たなバブルが膨らみつつある。今度のバブルの鳥は「カンキョーカンキョー」と啼く。薄気味悪い。くわばらくわばら。

2009年11月6日金曜日

ニッポンの若者の「自己満足」傾向は、目に余るように思うが……

おいらのサイトに、どのリンクから人が来ているかをチェックしてみたら、驚いた。何年も前に書いた実に下らない記事が多くの「自己満足型ウヨサイト」で引用され、そこから飛んでくるアクセスが多いのだ。ニッポン人はそれだけ「褒められること」に餓えている。ニッポンの「支離滅裂」な政治現状を見ればわからないことでもないが、悲しいことである。

「自己満足型サイト」で引用されている記事とはこれ:
Le Monde 「クール・ジャパン」ポップの超大国日本: "昨日に引き続き今日もポンス記者の報告。「日本はポップのスーパーパワー」と最近の日本の若者文化を高く評価しています。10年続く不況が高度成長時代の一生懸命主義の抑圧をぶちこわ したおかげで新しい文化が花開いた。これはアメリカの一極文化支配に対抗しうるすごいものだというのですが……そうかね? 散人は女子供文化だと思うな。 まあほめられれば悪い気はしないけど。"
おいらは、こんなのに自己満足してはいけないよと言ったつもりなんだけれど、これで有頂天になってしまう人もいるみたい。

マンガとかアニメにうつつを抜かしているような人間が多数を占めるような国は滅びてしまう。電車の中でマンガを読んでいる成人が多いのは、国辱ものという以上に、悲しい。開き直りは聞き飽きた。民度が低いだけの話。

この記事が参考になる。マンガにうつつを抜かしているアホは読め:

実は“下り坂”のジャパン・アニメ〜騒いでいたのは関係ない人たちだけ:日経ビジネスオンライン: "実は“下り坂”のジャパン・アニメ〜騒いでいたのは関係ない人たちだけ


関係ない人の自己満足コールド・ジャパン症例〈自己満足〉型


細山 和由、黒澤 俊介 【プロフィール】"

欧米では分厚い本を読む人の割合が圧倒的に多いのだ。それに対してニッポン人はマンガばかり読んでいる。客観的な数字を見ると驚倒する。これじゃ日本は負ける。

この自己満足願望はマンガ読者ばっかりじゃないよ。NHKテレビを見てると「こだわりの」「手間が掛かる」「みんな一緒に仲良く」の「伝統」文化が、これでもかこれでもかと賛美され、生産性なんかはまるで無視されて、これこそニッポン文化のいいところだとのノーソンの政治的宣伝番組ばかり。これではニッポンはホントに「開発途上国」に逆戻り。栄養状態も悪化してしまう。嘆かわしいことである。

2009年11月5日木曜日

NHKクロ現:東ドイツ問題「壁崩壊20年 欧州の光と影」

クロ現にしてはわりかしいい番組。もともとあんなのを一緒にするべきではなかった:
NHK クローズアップ現代: "壁崩壊で中東欧でも社会主義政権が崩壊する。あれから20年。ドイツでは「東独は独裁国ではなかった」と答えたり、「ベルリンの壁を作ったのが東独だった」ことを知らない若者が増殖中だ。東西ドイツ地域には依然、経済的な格差があるため、旧東独の親たちが現代史を真正面から伝えず、過去を美化する傾向があることが指摘される。"
当時の西ドイツは一種のヒステリー状態にあった。いくら「これじゃ国家が保たないんじゃないの?」と言っても、強引に民主的にポリティカリーコレクトな「1対1」での東ドイツの併合に踏み切った。それから20年。いまでは旧西ドイツ市民の大半は、東ドイツ市民への「所得移転税制」に不満を抱き、旧東ドイツ市民の大半は、昔の「みんな一緒に」貧しかった共産体制の方がよかったと不満を抱いている。みんなを一緒にしようとしたばかりにみんなが不幸になってしまったのだ。

もともとドイツとは統一国家ではなかった。それを無理やり一緒にして「国民のアイデンティティー」などを言い出したのがヒトラー。イタリアにしても同じで、北部と南部の対立はいまだに尾を引いている。

「国民国家」は必然的に侵略国家に変化する。ドイツのみならずナポレオンのフランスにしてもそうだったし、もちろん帝国ニッポンも。ナショナリズムしか国家を一本化するすべがないからだ。今の中国もそうだが、国際平和の意味ではろくなことはない。

ニッポンも昔々は「国民的」に統一された国ではなかった。その方がよほど平和であったのだ。ヤマトタケルが頑張りすぎて無理やりエビスまでもを大和統一国家に組み込んだのが間違いの始まり。現代ニッポンに於いても、統一ドイツと同じ問題がいまだに尾を引いている。ニッポンも、地方地方にそれぞれ独立採算制度を確立し、ナショナリズムを希薄化させた方が、国際平和によほど寄与する。国のおカネはぶんどったもんの勝ちとかいう「乞食根性」もなくなる。

日経連載小説「おたふく」:三十文の弁当でみんなホントに幸せになったのだろうか?

日経夕刊の連載小説(山本一力「おたふく」)は面白いので毎回読んでいる。今回は悪い役人連中が八丈島に流罪になって、いよいよ不景気だった江戸の街にも明るさが出てくるというくだり。みんな梅屋の三十文握り飯弁当で幸せになり景気がよくなったと言うが、梅屋の弁当が売り出される前は職人たちはなんか食っていたはず。もともとの弁当納入業者の「所得減」が同時に発生するので、いくら梅屋の弁当が売れても差引ではニュートラル。景気はよくなるはずはないので、おかしいなと思っていたら、今日の連載で山本一力氏の説明があった。いままで職人たちは棟梁のオカミさんが作る「麦飯弁当」を食っていたというのだ。ハハハ、とてもポリティカリーコレクト。

つまり、山本一力氏は、家事労働は生産活動には反映されない、しかも麦(パン)なんかを食うのはニッポン的じゃない、それじゃみんな不仕合わせになる、コメをコメ農家から買って食うのが幸せだとおっしゃりたいのだろうけれど、そのおかげで何十万人という江戸市民が脚気で死んでしまったのである(当時、脚気は「江戸患い」と言われていた)。明治時代も森鷗外が同じようなことを主張したおかげで何万人の帝国陸軍将兵が脚気で死んでしまった(ここ)。

思いこみが強い人間ほど始末に悪いものはない。この江戸の火消し職人たちも、こんな弁当を食いだした以上、やがては脚気で死ぬ運命か。

あまり江戸時代を美化しない方がいいと思う。例えばこれなんか読むべし:
【最終回】太陽光発電の「不都合な真実」:日経ビジネスオンライン: " 江戸期後半は、新田開発も限界に達して、最低限の生活水準維持のため、「姥捨て山」伝説の信憑性はともかく、嬰児殺し(間引き)が一般化し、人口増はマルサスの罠によって約3000万人で長らく停止した。

 一部の環境派からは、人間の屎尿を肥料として本格的にリサイクル使用し始めた江戸時代は、持続可能社会のモデルのようにも言われているが、屎尿由来の回虫が蔓延して人々の栄養状態は悪化し、男の平均身長は150センチ台、女は140センチ台まで低下、その多くの頭蓋骨には栄養失調の証拠である眼窩の「す」が見られる。"

最近のニッポンでヒステリー現象が見られる環境問題だが、「間引き」しなければ「地球環境」は守られないというのでは、まさに江戸時代に逆戻りだ。


蛇足:当時江戸の役人が八丈島に流刑になると、みんなからいじめられるので悲惨な状態となったらしい(刑を言い渡された悪徳役人は途端に失禁をする)。どうなんでしょうね。若者の間で「Iターン」とやらが流行っているらしいが、山本一力はこの傾向に警告を発したかったのかしら?

日経:温暖化ガス25%削減で一番安くつくのは外国から排出枠を買うこと(慶応大学野村准教授)

今朝の日経記事。ネットでは読めないので要点のみ抜粋:
  1. 25%削減の政府目標達成には海外から排出権を取得するのが一番安くつくという試算を慶応大学野村浩二准教授がまとめた。
  2. 一般家庭の負担増は年3万2000円となる(排出枠価格トン30ドルと仮定)。トン80ドルに上がった場合でも年12万7000円。
  3. 一方、国内の削減努力だけで25%削減を実現しようとすれば、年76万5000円の負担となる。
  4. 野村氏は政府の地球温暖化に関するタスクフォースのメンバー。今後の議論に影響を与えそう。

当然こういう主張は無視されるだろう。「環境」で儲けようとする輩のメシの食い上げとなるから「国産品の保護」を訴えるからだ。環境産業は今後の成長産業になると言うが、海外からの排出枠取得よりめちゃ高く付くのであれば、何が国際競争力だ。

なんだか農水産物を巡る議論に似てきそう。損をするのは一般消費者だけ。

おいらが昔から言ってきたとおりの展開となりそうで、憂鬱:

Letter from Yochomachi: 「温暖化ガス25%削減」で、損する人と得する人

小沢環境大臣も発言も「確信犯」だったわけか:
Letter from Yochomachi: 「地球環境対策では、国内メーカーは和牛生産者と同じ手法で儲ければいい」(小沢鋭仁環境大臣)


2009年11月4日水曜日

「地球環境対策では、国内メーカーは和牛生産者と同じ手法で儲ければいい」(小沢鋭仁環境大臣)

今晩のNHK「クロ現」。小沢鋭仁環境大臣の発言には、正直驚倒しましたです:
クローズアップ現代 NHK11月4日(水)放送 実現できるか? CO2削減25%:”野心的な中期目標は日本をどう変えるのか最前線を取材、新政権はマイナス要因をどう克服して低炭素社会を実現するのか、小沢鋭仁環境大臣に聞く。”

和牛は高くても安全でウマイと言う屁理屈で普通の牛肉の5倍以上の値段で売っている和牛生産者を見倣い、日本の製造メーカーも国民に「高尚な目的を説得し、高くてもいいから買って貰え」ということらしい。しかし国産和牛生産者のぼったくり商法には、もうみんな辟易している。世界に冠たる「日本の製造メーカー」をして、「ナショナリズム」を利用し消費者を騙してお情けで生き延びるだけの保護関税だよりの衰退産業になれと言うのか?呆れてものが言えなかった。

また、温暖化ガスを削減しないと地球は破滅してしまうとか言うその「高尚な目的」自体が、あやふやなのである。日本以外では徐々にそういったことにみんなが気がつきだしている。狂信的な思いこみ主義者が政治を支配すると、おまけにそれが時代錯誤の認識に基づいたものであれば、ろくなことはない。

2009年11月3日火曜日

アサヒ:錦鯉三〇匹、一億円超ナリ!……誰がこんなのを買うのだろう?

世の中不景気でたいへんだと言うが、こんなニュースもある:
asahi.com(朝日新聞社):錦鯉30匹、1億円超ナリ 血統書つき - 社会: "血統書付きの錦鯉(ごい)が11月3日、前橋市のぐんまフラワーパークで初めて一般公開される。名前が付いた30匹がお目見えし、総額は1億円を超えるという。"

田中角栄が錦鯉に凝っていたが、彼ももう死んでしまった。ニッポンはみんなビンボーになってしまったというのに、いったい誰がこんなものにお金を払うのだろう。

都市の「お金持ち」にはとてもそんな余裕はないだろう。たとえ六本木ヒルズに住んでいたところであの建物に錦鯉を飼える設備はないはずだから。こんな物を買えるのは、戦後の自民党ばらまき政治のおかげで散々儲けたイナカのお金持ちに限られている。それも年寄り。あいつらは、世界的な大不況にもかかわらず、どうしてどうして、おカネを唸るほど持っているのである。だからこんな鯉商売も安泰。

最近、ニッポンの文化はどんどん「イナカ化」しているように見える。お金が全てイナカに集中してしまうシステムだから、ニッポン文化もスポンサーである「イナカ住民指向」となってしまったのだ。カネがすべての現代社会である以上、これはしようがない現象なのであるが(体制派のNHKは言うに及ばず、民放テレビもおカネを持っているイナカ既得権集団の宣伝塔に成り下がって「オイシ〜!番組」ばかり)、なんともやりきれない。民主党も政権を取ったら「自民党化(利権政党化)」してしまったから、今後もこの傾向に変わりはないのだろう。

錦鯉や初物なんかに巨額のお金を払う風習は、江戸時代の身分制度のもとで基本的な生活財にお金を使うことを禁じられていた江戸町人が遊郭などへの刹那的なおカネの費消で自己満足するしかなかった浪費性向に由来すると言う。それこそニッポン文化だとか言うアホもいるが(日経連載中の山本一力「おたふく」がそうだね)、もとより健全な風潮ではない。ニッポンは再びあのような不健全な社会に逆戻りしつつあるように見える。

2009年11月2日月曜日

鳩山首相、7200万円申告漏れ 08年の株売却、修正し納税 ……正直者が馬鹿を見る制度では困るんだよな〜

あらら、このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):鳩山首相、7200万円申告漏れ 08年の株売却、修正し納税 (12:29): "鳩山首相の事務所の説明によると、09年1月5日に上場株券が電子化されるのに伴い、証券会社が売買を管理する「特定口座」に移すため、「08年に証券会社のアドバイスに従って売却した」という。しかし「09年3月の確定申告時に手違いにより申告漏れをしていた」といい、申告漏れの金額は7226万847円に上る。 (12:29)
おいらは一般口座から特定口座に振り返る際、いろいろ悩んだけれど、売却したものについては正直に申告して税金を払った。でも税金のプロをアドバイサーに抱えるお金持ちはそんなことはしていなかったのだ。おいらはバカ正直だったみたい。正直者が損をする制度は困る。

この移転では、みんな頭を絞ったはず。ついうっかり申告を忘れてしまったなどと云うことは、頭を絞ったのは税金のことであったわけであり、あり得ない。うまく行けば税金を払わなくて済む、様子がおかしければその時税金を払えば良いという「損得勘定」で申告しなかったものだろう。それにほぼ間違いはない。

鳩山ファミリーの政治資金の問題については、ホリエモンがこれは意図的な相続税脱税の容疑があるのではないかと指摘している;

生活保護・貧困/鳩山故人献金問題|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba: "これ、国税的には単なるミスでなく、悪質な課税逃れということになるので修正申告で済まない査察が出てくる脱税案件になったりする事案なんだよねぇ。。。で、オヤジの代からやっていたということだから知りませんでしたというのもなかなか言いづらいのかなあと、西武の堤さんの事例をみると思うんだよねぇ。"


国税庁は、ビンボー人からの取り立てが厳しいくせに、大金持ちで政治権力者となれば、大甘だ。この問題も、ここで何もしなければ、いつも自称している「正義の味方」なんかじゃないよ。

2009年11月1日日曜日

地球環境問題でニッポンだけが突出してしまった、コストを払う日本の納税者だけが損をするという構図か

あらら:
温室ガス「30%」削減目標、EU見送りへ : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞): "【ブリュッセル=尾関航也】欧州連合(EU)は、2020年までの温室効果ガス排出削減目標を、現在の「1990年比20%」から「同30%」に引き上げる計画について、年内は見送る方針を固めた。"

世界はもっと現実的なのだ。ニッポンだけが「環境原理主義」に踊っている。

地球環境に関する最近のNHKなどのマスコミの報道ぶりは異常。正常なはずの日経新聞ですら、夕刊と週末は「環境原理主義者」に支配されている。一種の「ヒステリー現象」がニッポンを覆っている。

米国オバマは「環境政策」に熱心だと言うが、所詮、合理的な「原発」を推進し、中東への依存を減らそうというもの。これには政治経済的な合理性がある。それに対し「鳩ぽっぽ君」の環境政策には、ニッポンのエコ・ポピュリズムに訴えるものではあるが、何ら政治的・経済的合理性がない。PTAオバさん連中は乗せられているようだが、これではますます国益を損ない、ニッポン人はどんどんビンボーになって行く(ここ)。

環境云々は所詮の金持ちの道楽。一人あたりGDPで、あの欧州の落ちこぼれ国イタリアよりビンボーになってしまったニッポンには、そんな余裕はとてもないと思うのだが、鳩ぽっぽ君は地球環境のために日本国民に家計あたり数十万円の余分なコストを払えと言う(これ)。環境をネタに特定利権集団への更なる所得移転を狙った政策であろうが、あきらかに身の丈を越えた大盤振る舞いである。これは如何なものか。

2009年10月30日金曜日

NHK:「温暖化対策による家計負担額試算(36万円)は計算間違いだ」……かなり為にする報道ではないか?

テレビを見たらこんなことを言っていた:
NHKニュース “家庭負担36万円”は誤り:"温暖化対策による負担と経済効果を試算している政府の専門家グループは、麻生政権で行われた試算結果について、「温暖化対策で家庭の負担は36万円」という数値は不適切な計算によるまちがった数字で、温暖化対策で直ちに家計が悪化するという誤解が生じたとする中間報告をまとめました。

この中間報告は30日、総理大臣官邸で開かれた検討チームの会合で専門家グループから報告されたものです。それによりますと、麻生政権が3つの研究機関の試算を基にまとめた「温室効果ガスを1990年に比べ25%削減した場合、家庭の負担額は年間36万円に上る」という試算結果について、可処分所得の減少額22万円と光熱費の上昇の14万円という、本来なら足してはいけない数値を不適切に加算していたもので、「不正確な情報が国民に伝達され、まちがった数字が誤って広められていた」としています。"

まるで「麻生内閣は算数のやり方も知らない、36万円という数字は全くデタラメだった」と言わんばかりの報道だが、どうして所得(可処分所得)の減少額と光熱費の上昇額を足すのは「不適切な加算」なのだろう?

NHKではそのへん何も言っていないが、考えるに「収入減で可処分所得の減少が生ずればそれに応じて(従属変数である)光熱費も少しは下がるはずなので、もともとの光熱費をベースとして増加コストを計算してはいけない」とかいう重箱の隅を突っつくような新人研修的な話だろうが、そんな違いは誤差でしかない。わかりやすさの方が遙かに大切なのだ。それをあたかも「あの試算はすべて信用ならない、温暖化対策で国民負担は増えない」という風に持って行っているのである。

森鷗外や永井荷風も文壇でケンカするときによく使った姑息なやり方だが、ポリティカリーコレクトなNHKは結論だけを取りあげて、意気揚々。

専門家グループももし麻生内閣時代の試算が間違っているというなら、正しい数字をまず出すべきだろう。ご指摘のように「算数の問題」であるなら、正しい正解はすでにお持ちのはずであるのだから。「36万円ではなく35万9千円でした」と言うことなのか? またより厳密にと言うのであれば、光熱費の増加、可処分所得の減少、支出減、収入減、可処分所得の減少、光熱費の圧縮、所得減という一連の乗数効果を収斂するまで計算してはどうか。36万円よりもっと増えるのではないか。

日航再建案策定の焦点は「企業年金の減額」だけなのか?

今朝の日経一面。「今後の再建案策定の焦点は企業年金の減額となる」とある:
NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載: "政府が日本航空の経営再建を促すため、包括的な立法措置を検討していることが28日明らかになった。金融機関の融資に対する政府保証や、日航が支給する年金の強制的な減額などが柱。空港着陸料の引き下げなど航空会社の支援策を盛り込む可能性もある。経営責任を徹底的に追及し、公的資金投入に伴う国民負担をできるだけ抑える。"
悪い奴に責任を取らせるのは大いに結構。でも叩く相手を間違えているのではないか?

日航がこれだけダメになったのは、今まで族議員や地方自治体が政治的にごり押しして赤字必至の路線新設を強引に日航に押しつけたことにある。その赤字分を黒字路線(都市路線)の「かさ上げ料金」でカバーするべく国土交通省はいろんな参入障壁とかで制度化しようとしたが国民も馬鹿ではないのでうまく行かなかっただけの話。責任は都市住民の負担による地方へのバラマキ政策にあるのである。

「経営責任を徹底的に追究する」と言うが確かに日航経営陣の責任は重い。つまり「お上の言うままに唯々諾々と安易な経営した」と言う意味においてこそ経営陣の責任が追及されるべきだ。従業員は確かにいいお給料を貰っていたらしいが「責任」があったと果たして言えるのか。

この問題は民間企業である日航一社の問題ではない。日航に採算の合わない路線を政治的に押しつけ、おかげで大儲けした人たちが「食い逃げ」するのを許してはならないだろう。この問題はマクロで考えるべきだ。すなわち地方自治体にも応分の負担も求めるべきである。

2009年10月26日月曜日

「鳩山演説に熱狂する議員たちはまるでヒトラーユーゲントみたい」(谷垣禎一)

これは一応「名言」だと思う。鳩山演説には抽象的な総論が目立ったが、ニッポン人はよく抽象的な言葉に熱狂し、ヒステリーみたいになって踊るのである。戦前の歴史を見ればわかるし、酒井法子に対する国民のリンチ的感情を見てもわかる。これこそファシズムの始まり。谷垣は所詮負け犬だが、負け犬だけに世の中の流れをよく見ている。

誰にも反論できない「総論」をまずぶちあげ、法的拘束力を持たせ、その後で自分の都合のいい「各論」をどんどんやっていく。反対する人が現れれば「あんたたちはわたしの最初の総論に賛成していたではないか、これは決まったことだ」と言ってねじ伏せる。これはニッポンの農水族がノーソンへのバラマキと利益誘導を正当化するために戦後一貫した使ってきた常套手段だった。

鳩山由紀夫もそのへんを見て育ったからよく知ってるわ。

ニッポン人は時々抽象的な言葉に踊らされるという点について、塩野七生もいいことを言っている:
「安倍さんには芸がない。日本人は時々狂ったように抽象的なことを言い出す」(塩野七生、日経インタビュー)‥‥女史この他にも名言を大連発!

2009年10月24日土曜日

国債利払い費、税収の2割超す……これは日本の「階級固定化」につながる傾向である

また今日も憂鬱なニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):国債利払い費、税収の2割超す 09年度見通し、政策財源に使えず:"2009年度の新規国債発行額が50兆円を超す見通しになるなか、国債の利払い費が膨らむ可能性が強まっている。国の税収に対する利払い費の比率は10年ぶりに20%を超え、政策に使える税収が一段と減る見通しだ。利払い費に償還分も合わせた国債費全体では20兆円を超え、社会保障費の25兆円に迫る。政府は利払い費の増加リスクを抱え、難しい財政運営のかじ取りを迫られる。"
「ナントカせねばならない」とはみなさんおっしゃるが、結局みんななにもする気はないので、この比率はどんどん高くなるだろう。前代未聞? そうでもない。過去にも同じような例がある。

つまり「何とかする」為にやることは次のことだが、まずできないのだ:
  1. 生きてる国民から税金を取る。つまり所得税、法人税、消費税などを増やす。でも生きてる人間は「票」をもっているので、これは出来ない。
  2. 死んだ人間から税金を取る。つまり相続税率を上げる。でも相続する人間は生きているので、これまた不可能。
  3. 歳出削減をする。でも国民のほとんどは税金のバラマキのおかげで食っているので(なんせ国民の54%は既得権階級らしい)これも難しい。今回補正をちょっといじっただけであの騒ぎだ。
  4. デフォルトかインフレで借金を踏み倒す。しかし「営々として築き上げた」内外価格差を考えれば物価は下がる方向にしか動かない。いくら国内付加価値部分だけの価格を上げようとしても物価全体がデフレであれば、経済は不況にこそなれインフレとはならない。踏み倒すのは難しい。デフォルトは面子があって出来ない。

結局、なにも出来ないので、国債の利払いはどんどん膨れ上がらざるを得ない。歳出の半分ぐらいになるまでには時間はそう掛からないだろう。本来ならキャピタルフライトが起きても不思議はないのだが、ニッポンの大金持ちは総じてローカルだから(そういう人にしかおカネが配分されない仕組みだから)幸か不幸かそういうことにもならない。公共事業をやる度におカネはイナカに回って、民間投資に回らず、郵貯や預金を経由して国債に戻る(こういうシステムを維持することこそ今度の亀井人事の狙い)。何とかなってしまうので、国債費だけはどんどん増えることになるのだ。

その結果、大惨事が避けられみんながハッピーみたいに見えるが、日本社会が払うコストは想像以上に大きい。経済が歪曲されるという以上に、社会階級の固定化というすぐれて社会的な問題が生じるからだ。

つまり資本主義というのは、勝ち負けのシステム。勝つときもあれば負けるときもある。商売で財産を築いても一度失敗すると無一文となる。30年以上続いているビジネスは珍しい。おカネを事業に投資しようと株を買っても一瞬にして吹っ飛んでしまうこともある。人に貸しても貸し倒れリスクがある。「奢れる平家も久しからず」という法則が維持されている「公平」なシステムなのである。しかし国債や、郵便貯金や保険で保障される預金(国債購入に使われる)は別だ。絶対安全な資産なのである。リスクを取らないお金持ちの資産は絶対に安全で利子分だけ確実に増えてゆく。元本保証されている上にレント(利息)の取り立ては税務署がやってくれるのでラクチン。こんないい投資はない。子孫にも確実に受け継がれる。「売り家と唐様で書く三代目」の悲劇は起こらないニッポンになるのである。

こういう話は前代未聞か? そうではない。明治時代の初期がそうだった。政府の予算の半分程度が固定経費である「金禄」の支払いのために使われたのである(金禄は国債の利子ではないが固定的で建設的でないという意味では同じようなものだ)。江戸時代に延々と続いた固定化された身分制度のおかげだ。年貢で集めた税金のほとんどは働かないサムライの生活費に回ったのである。これでは国が成り立たないとして立ち上がったのが大久保利通。金禄を公然とデフォルトさせた。ここ:

Letter from Yochomachi: 8/5 Today 「金禄公債証書発行条例」の公布(1876)……平成の日本も見習え!


大久保利通みたいな人が現れないと、ニッポンは国債利子でぬくぬくと食っている金持ちの支配階級と汗して働き税金を払う被支配階級とに二分化され、政府(公務員)は、江戸時代の幕府のように、支配階級の代理人として国民から税金を取って支配階級に分配(金利支払い)するだけの機関と化するであろう。由々しきことである。

2009年10月21日水曜日

国際VHF規制緩和にみるニッポンの規制社会、日本の人口の54%は既得権益でメシを食っている!

アイコンの国際VHF無線機が届く。ようやく型式認定が取れたようだ。スイッチを入れると、新宿にいながら東京港とか横須賀港とか千葉港とかでのやり取りが聞こえてきてオモシロイ。今まで悪名高いニッポンの規制のおかげで70万円もしていたものが、ヨット界あげての規制緩和要望を受けて、ようやく二万円程度で手にはいることになったのだ。ニッポンも少しづつだが、いい方向に進んでいるのか?   

無線局開設の手続きのために監督官庁である東海総合通信局(住んでる住所ではなく船籍場所の総合通信局に申請するのだ)に電話で手続きを問い合わせると、収入印紙の金額とか、申請書の必要部数だとか、さらに控え返送用の切手の金額だとか、いろいろ細かいことを教えてくれた。書類を送る前に電話すること。二度手間が避けられる。

レーダーの免許手続きも並行して進めているのだがと言うに、一本化して欲しいという。レーダーがある場合、VHF局開局申請書にその旨書けばいいだけの話らしい。レーダー免許を頼んでいる古野電気に電話してみると、あらら、びっくり。1ヶ月前に頼んだのだが、なにも進んでいない様子である上に、総合通信局がVHF免許と一本化しろと言っていると言うと、今頃になって、レーダーの現地検査が必要だとか、電気系統配線図を出せとか、ヨットの国籍調書が要るとか言ってくる。費用も膨大にかかる。アホらしいのでお引き取り願うことにした(直接申請する)。すると今までかかってしまった費用(4600円)は負担してくれと言う。こりゃ「手切れ金」だわな。安いし払うよ。

担当は決して悪い人間ではないようなのだが、ニッポンの規制と、その規制で喰っている連中(海事関係の司法書士とか言う連中)に振り回されている様子なのだ。日本の人口の54%は既得権で食っているという(エドワード・リンカーン)。それでみんなが幸せならけっこうなのだが、これではみんなが規制の「受益者」になったつもりで「みんなのお金」を自分たち用に引き出すだけの「花見酒社会」。みんながどんどんビンボーになってしまう。ウルトラウヨの亀井に振り回される鳩ぽっぽちゃんのニッポンもそんな具合に進むのではないだろうか。 

それにしてもエドワード・リンカーンは鋭かったね。15年前から(さらに小泉改革が始まってからも)ニッポンの行く末を正しく予言していた:



2009年10月17日土曜日

ブラジル大統領:「人類こそ絶滅危惧種、環境団体の言うことを聞いてる場合じゃない」

今朝のNHK衛星放送。最近はブラジルのテレビニュースも流されるので興味深い。その中でブラジルのブラジルのルーラ大統領が、同国サンフランシスコ川流域の開発プロジェクトに環境団体が反対を唱えていることについて、珍しいとやらのヘビやトカゲより現実に困っている人間を救うことの方が大切だと、上のようなことを発言していた。会場に集まったブラジル人は熱狂して大統領を支持していた。

こういう受け止め方は決して極端でも何でもなく、世界人口の大部分を占める途上国の人たちの普通の考え方だろう。先進国でもまだまだ「グリーン」は少数派だ。彼らは遅れているので啓蒙してやらねばならないと高い目線で粋がるのも結構だが、まず実態を正視するべきだ。NHKなどの日本国内向けの「国際番組」を見ていると、あたかも世界すべてが「環境環境、安全安全」と叫んでいるかのような錯覚を受けてしまうが、東京オリンピックの誘致スローガンは「世界の普遍的価値」となったはずの「環境と安全」であったものの、あまり世界にアピールしなかったことはご承知の通り。国内向けの放送の方が、「環境」をお金儲けの手段としようとする国内イナカ利権集団に阿て、ミスリーディングなのである。これではニッポンは世界からどんどんずれてしまうのではないか。

NHK衛星ニュースは、いままでアメリカ、中国、韓国、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、アルジャジーラなどのニュースを流していたが、今回ブラジルも入った。いいことである。

2009年10月15日木曜日

国土交通大臣:「訪日外国人を増やせ、観光庁予算は4倍に」……お金を遣うだけで外国人が来るもんでもないでしょう、ウヨを撲滅することが先じゃないか?

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):訪日観光客2000万人目標、前倒しを: "国交相、観光庁発足1年で 観光庁が1日、発足から1周年を迎えた。前原誠司国土交通相は同日の記者会見で、2020年に訪日外国人数を2000万人に増やす同庁の目標について「あまりにも計画として甘すぎる。できるだけ前倒しする努力をしたい」と述べ、目標を上方修正する考えを示した。具体的な目標設定については月内にも新たな審議会を設け、策定する方針を明らかにした。

国交相は「パリやローマは1都市で年6000万~7000万人の外国人が訪れる。自然や文化遺産など観光目的が多い日本で現状はさびしい限り」と語った。政府は「10年に訪日外国人を1000万人」との目標を掲げていたが、それと並んで昨年10月の観光庁発足時に「20年に2000万人」との新たな目標も設定した経緯がある。

金融危機の影響もあり、09年の訪日外国人は600万人程度にとどまりそう。「10年に1000万人」の目標達成はほぼ絶望的。同日記者会見した観光庁の本保芳明長官は、この1年を振り返って「観光庁は数字を上げていくことが一番の仕事。数字が上がっていないのは申し訳ない」と陳謝した。(01:55)"
前原大臣の焦りは分かる。09年度の訪日外国人数は昨年度比2割減となった。みんな日本に来なくなったのだ。このままじゃニッポンはいよいよ世界のイナカと化す。でも今のシステムではお金をばらまいてもイナカの農村地主が儲けるだけ。またぞろ「リゾート法」の二の舞になる感じだ。

観光庁は、そもそも「観光」とはなになのか、もう一度「観光」の原義に返って勉強する必要がある。興膳宏氏の名コラムが参考になる:
Letter from Yochomachi: 9/27 Today 世界観光の日……日本一の「観光地」はどこ?: "「観光」の語は、『易経』に始めて見える。「国の光を観る。用て王に賓たるに利あり」とあるのがそれである。「国の光を観る」とは、国の盛んな繁栄の様を観察するということ。そうした輝かしさにあこがれて、多くの人々が国王の賓客になろうとする。

首相は新年の施政方針演説で、外国人を対象とした「観光立国」の政策を推進すると述べた。それはよいが、そのためには国が応援団ではなく、当事者であるとの立場をよほど自覚してもらう必要がある。"

そう、「観光」とは「国の光」なのである。ネットウヨが排他的ナショナリズムを臆面もなくわめき散らし、既得権集団がエゴばかり押し出してごねているような国に「光」はないのである。この辺を正すのが、まず一番望まれること。

このページにも触れてあるが、ニッポンで一番外国人観光客を引き寄せている場所はどこかご存じか。京都でもない、箱根でもない、銀座でも浅草でもない、別府でもニセコでもない、もちろん島根・山口や鹿児島の薩長イナカでもない。それは新宿なのである。新宿は観光庁なんかから一銭もお金を貰っていないはず。ただ外国人に対し寛容であり新宿の人口の10%は外国人だ。これが外国人を引き寄せている。ここ:
なぞなぞ「外国人観光客が一番訪れる日本の“観光地”はど〜こだ?」

イナカの地主を儲けさせるだけの「箱物観光投資」なんか止めて、みっともないネットウヨを撲滅することにお金をかけた方がよほど効果的だと思う。

2009年10月14日水曜日

NHKクロ現:コンビニで「サケ幕の内弁当」だけがなぜ売れる?

今晩のクロ現。クニヤが不思議がっていたが、不思議でも何でもないと思う:
クローズアップ現代 NHK10月14(水)放送コンビニ弁当 値下げ競争の舞台裏:”「便利さ」を徹底的に追求してきたコンビニエンスストアは、次々と新商品やサービスを開拓し、これまで不況知らずの成長を続けてきた。しかし、今回の未曽有の不況の中、かつて経験したことがない苦境に立たされている。その最大の要因は、弁当や総菜の落ち込みだ。飲料や雑誌など一緒に他の商品を買ってもらえる弁当は、最大の"キラーコンテンツ"と言われていた。この売り上げ減少の背景にあるのは、消費者の変化。スーパーや量販店が次々と売り出す激安弁当に客が殺到するように、「便利さ」よりも「安さ」が重視されているためだ。”

そもそもニッポン人は昼飯に拘りすぎだった。今朝のアホ朝連続ドラマを見たが、主人公の新しい職場の上司が食っている「愛妻弁当」に驚倒。昼間からかさだかい豪華な三重の重箱をむしゃむしゃ食っている。あれはいくらなんでも食い過ぎで、見ていてキモチが悪くなった。そういう平成ニッポンのバブル的風潮が見直されつつあるのが、今のコンビニ弁当の売り上げ不振の根本原因だろう。

コンビニでいま売られている弁当は、いずれもツーマッチでカロリーが高すぎる(だからあのまずい幕の内弁当を栄養士は薦めるらしい)。それが売れなくなったのはNHKクニヤは不況が原因だとかアホなことを言っていたが、今までがバブルで異常だったに過ぎない

先進国では、接待でもない限り、昼飯はホットドッグかサンドウィッチと決まっている。日本のバブル以降の食生活が食い過ぎでお金のかけ過ぎだったのである。昼飯なんかにお金を使わなくなったのは、とてもいい傾向である。

今までのこの異常な風潮を人為的につくり出して自分らが儲けようとしてきたのが「農村既得権集団」だ。マスコミを総動員して、本来は質実剛健だったはずの日本人を「オイシ〜!」絶叫連発のバカ民族に堕落させてしまった。あいつらがマスコミを通じてこういう国民洗脳活動をはじめて以来、ニッポン人は食いものことしか考えない卑しい民族になってしまったのである。悲しい哉。いまそれが通じなくなってしまったので彼らは慌てている。

ところが、今日スーパーに行ったが、主婦たちはいまだに商品の原産地表示を必死に見ている。国産食材は二倍もするのに、わざわざ選んでそれを買っているのだ。アホかと思うが、農協(全農中)のメディア支配力たるや、まだまだ恐るべし。国民の無知さ加減を増長させ、さらにそれにつけ込んで儲けようとするのは悪質である。でも、いまの不況で、すくなくともお父さんたちは食い物にお金を掛けなくなったとすれば、それはとてもいい傾向である。資本主義発展の原点が、食い物に対する出費の節約にあるのは、江戸時代の商家の決まり事を見ても明らか。ニッポンの将来のためにも、質実剛健の風潮が定着することが望まれる。

気象庁:民間気象会社(WeatherNews)は「業務条件を逸脱している」と注意

あらら、WeatherNews は気象庁様のご機嫌を損なってしまったみたい。さっきのNHKニュース:
NHKニュース 民間気象会社を口頭で注意: "今月、台風18号が愛知県に上陸したと気象庁が発表する直前に、民間気象会社が「三重県志摩半島に上陸した」という情報を発表していました。気象庁は、許可された業務の条件を逸脱しているとして、この会社を口頭で注意しました。"

この Weathernews にせよ Weather Report にせよ、民間の気象会社の予想はとても詳細できめが細かく、ヨットや漁船に乗る人たちはとても重宝している(例えばこんなことが分かる)。しかし今回、気象庁が「台風18号は知多半島に上陸」と発表する40分前に Weathernews が「志摩半島に上陸」と発表してしまったので、気象庁はカンカンに怒っているとのこと。こういう権威主義が日本をダメにした。

知多半島に上陸する前に志摩半島をかすっていったと言うことは十分考えられること。所詮台風がどこに上陸したかなにを以て言うかという定義上の問題であり、住民にとってはどうでもいいこと。しかも、その定義解釈上の判断であっても、今となってはどっちが正しいかは分からない。

ただ気象庁としては「おいらこそ気象の唯一絶対の判定者であり、おいらの言ったことが歴史的事実となるものである、民間が勝手なことをゴチャゴチャ言うな」というところだろう。どうもおかしいと思う。

わがニッポンでは「気象庁のお墨付きがないと」梅雨も終わらないし、サクラも咲かないことになっている。春一番にしても気象庁の御認定が必要。そのくせよく間違える。競争がないから相対比較の通信簿も付けられない。

こういうお役所の権威主義が日本をダメにしてきた。気象庁ばっかじゃないよ。

10/14 Today 鉄道の日:リニア新幹線なんかより大都市圏鉄道の標準軌化(改軌)の方が先じゃないか?

国土交通省のHPに因れば、今日は「鉄道利用者とのふれあいを持ち、これからの“愛される鉄道”を共に考える」日とのこと。下々の国民にも発言を許してやろうという目線の高い文章だが、折角の機会だからおいらも申し述べる。

国土交通省のページ:
10月14日は鉄道の日: "明治5年(1872年)10月14日に新橋~横浜間が開通した日本の鉄道は、国の発展に欠かせない基幹産業として、また最も身近な公共交通機関として、高速化・定時化・大量化・安全化に取り組み、経済活動の要、生活の足として、確かな基盤を築いてきたんだ。

このことを記念して、平成6年より10月14日を「鉄道の日」と定め、JR、民鉄等の鉄道事業者とその関係者が一堂に会し、鉄道の発展を祝うとともに、鉄道が国民に広く愛され、その役割について国民の関心が高まることを願って、多彩な行事を行うことにより、鉄道利用者とのふれあいを持ち、これからの“愛される鉄道”を共に考え、より一層の発展に寄与してるんだよ。"

JRの大プロジェクトといえばリニア新幹線。でも飛行機との勝ち目のない競争にバカなお金を使うよりもっと大事なことがある。ニッポンも、そろそろ世界でも例がすくない「植民地的な」狭軌鉄道から卒業し、線路の幅の広軌化(標準軌化)する時に来ているのではないか。せめて大都市圏だけでも早くやるべきだ。そうすれば台風が来たぐらいで首都圏JRが機能停止に陥ることはなくなる。車体の幅は同じでいいのだから新たな用地買収をする必要もない。リニアなんかよりよほど国民のためになるだろう。

日本での狭軌と広軌を巡る論争と改革の失敗については、ここが参考になる:
日本の改軌論争 - Wikipedia: "日本の改軌論争(にほんのかいきろんそう)においては、発祥時に1067mm軌間(狭軌)を採用した日本の国有鉄道(国鉄)が、1435mmの標準軌へ軌間を変更しようとした運動のことを記す。

日本の改軌論争は公共サービスの経済学において、国家的な政策と日々進歩する技術の両面が複雑に絡み論争を引き起こした最初の事例であり、ずっと後に至っても交通、通信、放送の分野において同様の論争が起こる度に「改軌の轍は踏まぬよう」という言葉が交わされている。"


これを考えさせられた契機は先日の台風18号。首都圏のほとんどの私鉄は運行しているのにJRだけが全面的に止まってしまった。風が吹くと止めることになっているらしい。それはJRが狭軌である以上仕方がないことらしいが、非常時にこそ公共交通機関の正常運行が求められるのに困ったことである。

この件については、小生ブログのコメント欄で詳しく説明してくれた人がいた。感謝する:
Letter from Yochomachi: なぞなぞ(JR系):どうして台風でJRだけが「運休」や「運転見合わせ」が多いのでしょうか?:”匿名 さんのコメント...
報道管制が引かれているようでマスコミは取り上げませんが、JR(旧国鉄)の線路幅は、狭軌と呼ばれる規格で線路幅が1067ミリです。
私鉄や一部の地下鉄は国際標準の広軌と呼ばれる規格で線路幅が1435ミリです。
JRでは新幹線だけが広軌の1435ミリです。
素人でも解るとおり、車輪の幅が約1mと1.4mでは安定性が全く異なります。
JRの狭軌は、軽自動車の車輪に大型バスを乗せているようなもので、風やカーブで転倒しやすい方式です。
今回の台風18号によるJRの大規模運休は、単に強風の影響ではなく、JRが狭軌方式を採用しているのが本当の理由です。
過去の鉄道事故でも、風やカーブで脱線転覆したのはJR(旧国鉄)が圧倒的に多いです。広軌方式の私鉄は転覆しません。
狭軌は、昔、植民地などに低コストで鉄道を敷設するために採用された簡易な鉄道規格です。
経済大国が、国土の大部分を狭軌方式の鉄道を張り巡らした例は日本以外にありません。
狭軌方式の鉄道で時速80Km以上は危険であるという研究結果を旧JRの鉄道研究所が発表しています。
JR福知山線事故は、広軌方式を採用して、新幹線と同じ性能と安全性を持つ関西の私鉄に、JR西日本が貧弱な狭軌方式の列車で速度競争を挑んだのが原因です。
残念ながら、この事実は、事故報告書でもマスコミ報道でも一切触れられていません。
時速80Km前後で走るJRの通勤電車、特急電車は、常に走る棺桶であることを国民は知る必要があります。
鉄道を利用するときは、広軌方式を採用している私鉄や地下鉄に乗りましょう。”

なぜ広軌に出来ないのだろうか。今さら広軌に変更すれば天文学的なお金がかかるというのは、どうも信用できない。レールをずらして、電車の下に取り付ける台車(車軸と車輪を組み合わせたもの)だけ取り替えれば済む話だ。車体の幅は広げなくても同じでいいのだから用地もホームもトンネルも今ののままで使えるはず。

きっと「JRは全国一律に同じ仕様でなければいけない」という「みんな一緒に」精神が問題を複雑化させているのだろう。巨大な通勤客輸送を必要とする大都市圏だけではじめればいい。JRは「安全安全」を言うのなら、風が吹いたらお休みというのではなく、改軌による抜本的な安全策を講じるべきだ。

2009年10月12日月曜日

前原大臣:羽田を国際ハブ空港化目指す……よく言った、前原!

今晩のこのユース。民主党政権も捨てたものではない:
NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載: "前原国交相は羽田空港について「日本にはハブ空港が存在しない。来年10月に羽田の第4滑走路ができることを契機に(成田が国際線、羽田が国内線という)内際分離の原則を基本的に取っ払って、羽田の24時間国際空港化というものを徐々にめざしていきたい」と表明した。 (17:02)"
大阪や千葉県の知事たちは、ショックを受けている。いままで散々納税者のお金を、自分たちの利益のために搾り取ってきたのだが、そのシステムが成り立たなくなったことに憤慨しているのだ。でもザマミロだね。民主党もいいことをする。どんどん頑張れ!

ニッポンの空港は、まさに惨めな世界最低のシステムにまで堕落してしまった。既得権益集団やエゴ丸出しの地権者たちが自分の利益だけを追究してゴネまくり、アホなマスコミはそれを応援し、「民主的」な政府がそれに屈してしまった結果がこのザマである。イナカの既得権益者集団は大いに儲かったがが、ニッポンの国際競争力は、惨めなまでに低下してしまった。

国内農業を何としてでも守れというニッポンの農水族の論理もこれと同じ。自分たちへの利益誘導を主張するだけで、ニッポン経済全体への悪影響はまるで無視している。利権集団のエゴイズムは国を滅ぼすのである。

2009年10月11日日曜日

TBS:危険生物大図鑑……「自然」は危険でいっぱい、昔のニッポンもそうだったな

この番組、面白かった:
飛び出せ!科学くん 驚愕!最凶の危険生物大図鑑スペシャル - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]:"「ココリコ田中が危険生物捕獲に挑む!」最も巨大で最も凶暴 世界一人間を襲うホオジロザメ。そんなホオジロザメの鼻に、船の上からタッチする男が南アフリカにいるという!そこで芸能界一サメ好きのココリコ田中が、ホオジロザメの鼻タッチに挑戦するべく南アフリカへ!果たしてその結末は!?「ほっしゃん。がグンタイアリの恐ろしさを体感!」筋肉を溶かす猛毒を持ち、集団で襲いかかるグンタイアリ。その恐ろしさを体感する為、コスタリカ共和国へと向かったほっしゃん。しかし恐ろしいのはグンタイアリだけではなかった。猛毒ヤドクガエル、吸血コウモリ、タランチュラ、次々現れる危険生物たち。そしてついにグンタイアリと遭遇!果たしてほっしゃん。の運命は!?ほか"
もともと「自然」とはこういうものなのである。危険でいやらしい生物でいっぱい。この番組でよく分かる。それを住みやすくしたのが「文明」というもの。

昔のニッポンでも「自然」は凶悪だった。ノミ、シラミ、ムカデ、ゴキブリでいっぱいだったのである。古事記でも書かれているし、江戸時代の芭蕉も嘆いていた。第二次世界大戦後の日本もムシだらけで、占領軍はDDTをまき散らした。

最近になってようやく日本も嫌らしいムシが少なくなってきた。ところがそれに対応してか、「生物多様性」を主張するへんな環境論者がのさばりはじめたのは困ったことである。ノミとシラミとゴキブリは、やっぱり絶滅させた方がいい。

2009年10月8日木曜日

なぞなぞ(JR系):どうして台風でJRだけが「運休」や「運転見合わせ」が多いのでしょうか?

NHKによると、今日の台風18号で、私鉄に較べ際だってJRの運休が多かったという:
NHK首都圏ニュース: "首都圏の鉄道は、台風が接近した午前8時前後から、JRがほとんどの路線で運転できなくなり、山手線が最高で4時間、京葉線が7時間、中央・総武線の各駅停車が6時間にわたって運転を見合わせました。

この影響で、あわせて2657本が運休し、296万人に影響が出ました。

JRによりますと、影響が出た乗客の数としては、過去最大規模だということです。"

6700人が線路を歩かされたというのだからすごい。これは全国の台風被害(暴風の最中に屋根に上がり落っこちて死んでしまわれたお年寄りなど)のなかでも、圧倒的に大きい国民経済的な損失ではなかったか。でも私鉄は平常通りに運行しているところがほとんどだった。なぜJRだけが運休? NHKはその謎に迫ってくれた:

要は、JRでは数年前の山形県の風による事故以来、風速がある一定程度(25メートル)を越えると自動的に電車を停止させる設備を導入し、風速計を首都圏180個所に設置したが、今回そのシステムが「作動」したので自動的に「運休」したとのこと。

「いや〜、さすがはJRですな〜。人命の安全を第一に考えている! なんせニッポンでは人命は地球より重いのだから当たり前のこと。エライ、エライ」

と、思うのは少数派じゃないか? とりわけ線路を歩かされた6700人の乗客はそんな風には考えなかったと思う。しょせん、今はやりの「安全、安全」を第一に考えておけば、おいらの責任は免れるという「JR的な事なかれ主義」体質の現れでしかないのではないか。これこそ進歩的というなら、私鉄は、儲け主義で、人命軽視をしているとでもいうのか?

わがニッポンでは「安全」と「安心」が最優先らしい。鳩ぽっぽ君の政策を見てもわかる。でも、たかがあの程度の風で都市機能が麻痺してしまうようなニッポンのインフラ整備状況は、まだまだ後進国並みではないか。クマ道路なんかにお金を回すのは止めて、少々の台風でもビクともしない都市インフラをぜひ整備して貰いたいものである。さもないと「クマ道路」をつくるお金すらニッポンは稼げなくなるのである。

2009年10月5日月曜日

日経:居住地域の満足度 北陸、北海道、東北が1位から3位までを独占、関東・近畿は最下位

「う〜ん」と考えさせられたニュース。おいらの実感にも合致している:
NIKKEI NET(日経ネット)居住地域の満足度、トップは北陸 民間調査:: "広告大手の博報堂が全国の約6千人に現在住んでいる地域の満足度についてアンケートした結果、北陸、北海道、東北が1位から3位を占めた。下位は近畿、関東と大都市圏を抱える地域だった。"

それなのに、ニッポンでは伝統的に大都市圏の住民からお金を搾り取って「可哀想な」イナカに回すという政策が「国策」として続けられてきた。民主党政権になっても基本的になにも変わらないでそれが継続されている。絞られるばかりの大都市圏住民はホントに可哀想。

この調査は博報堂がやった。レポートはここ。真面目な科学的調査だったみたい。

おいらは新宿とイナカの間を往復しながら生活しているから、そのへんがよく分かる。この調査結果はおいらの実感と合致する。田舎の人の方がよほどいい生活をしているのである。

無邪気に騙されて毟られるばかりだった貧乏な「都会もん」も、もうそろそろこの現実に気がついてもいい頃じゃないか?

2009年10月3日土曜日

2016年オリンピック、東京敗退 「環境と安全」のスローガンじゃ、しょうがないわな

「環境と安全」なんかには「もう、うんざり」という世界の「空気」が読めなかったのが、石原君の敗因だな。

オリンピックはしょせんお祭り。みんなが「どこにいってみたいか」で勝負は決まる。大会運営の完璧さなんかはどうでもいいこと。いい加減でも楽しければそれでいい。古来のオリンピックとはもともとそういうものだ。

その「いい加減さ」の面白さという意味では、東京は良い線を行っていた。街中に空中電線が張り巡らされた東京の都市景観は世界すべての近代都市に大きく見劣りし、まさに「巨大な農村景観」そのもの。とても「エキゾチズム」があった。それを武器に前近代的「エキゾチズム」を売り込めば、まだ東京にもチャンスはあったのかも知れないけれど、先進国の振りをして高い目線で「環境と安全」となんかやったのが間違いだった。

そもそも今のニッポンでヒステリー的に叫ばれる「環境と安全」なんかには、もううんざりしている人が世界には多いのである。それはさておいても、そもそも東京が「環境」を云々するにはまだまだ100年早い。ニッポンで叫ばれる「環境」とは、その対策でメシを喰おうとするイナカ利権集団が言い立てている政治的スローガンにしか過ぎない。イナカ利権集団への富の移転システムこそが「世界の潮流」だと誤解してしまったことが東京の敗因だった。ニッポンの常識は世界の非常識なのである。

その風潮に迎合して利得を得ようとするにせよ、「安全」を訴えるのであれば統制国家の大将である将軍様の方がよほど有利だっただろう。「環境」を言うのであれば、東京の貧弱な都市環境をすこしは先進国並みにして、国中のイナカに蔓延る税金で建てあげた醜悪な箱物とコンクリート構造物を撤去してから言って欲しかった。

リオデジャネイロは面白いと思う。あのめちゃくささが、とても真っ正直で、なんとも言えない。この機会にもう一度行ってみたいと思う。

2009年9月30日水曜日

JALと地方空港問題は、ニッポン問題の本質でもある!

この二三日NHKラジオを聴いている。他のことをやりながら聴けるという効率性もさることながら、多数派の日本人の考え方を知る上でとても参考になるのだ。これがわれわれ一般人の常識から相当乖離しているのである。これはイナカべったりのNHKの編集方針によるものだと思いたいのだが、背筋が寒くなるのが「ニッポン人はみんなこういう風に考えている」という恐怖の仮説。

今夕のJAL問題と地方空港問題での視聴者参加番組では、意見を寄せた視聴者のほとんどが採算がとれなくても地方空港の廃絶に反対だという。赤字分は国(すなわち納税者、とりもなおさず大都市住民)が払えば良いというのだ。本当にニッポン人はここまで自分のエゴと利権しか考えない人間に成り下がってしまったのだろうか。

全国津々浦々に地方空港を建設し、イナカ路線を強引に(都市住民の負担で)JALに開設させたのは、ニッポンを牛耳る農村既得権集団の政治力。一番儲かったのは土地買収で農地を売り抜けた地主(買収予定地から外れて儲け損なった地主は自分の土地の山林を出来るだけ高く成長させ飛行機発着の嫌がらせをする(あいつらのいう「誠意を示せ」とは「お金をよこせ」と言うこと)。いちばん損したのは納税者(大都市住民)。世も末の現象だが、この番組を聞く限り、こういう政策がいまだに日本国民の多数派に支持されているらしい。暗澹たる気分となった。

今日の最高裁判決でも「一票の格差」が5倍近くでも合憲とされたのだから、司法まで動かすあいつらの政治力、恐るべし。マクロ経済的には誰のお金を誰に所得移転しようとマクロでは中立だが(亀井静香の政治倫理もそうなのだろう)、こんなことが続くとニッポンがどんどん「イナカモン化」して行くことは避けられない。

2009年9月28日月曜日

温暖化ガス25%削減のため一人一人がやれること

NHKラジオを聞いていたら、消費生活アドバイサーなるオバさんが、25%削減目標を日本として達成するためには、コンセントを抜けとかトイレの水を節約しろとか、いろいろチマチマしたことを列挙していた。なんか「愛国主婦の会」を思い出してしまった。今さら「パーマネントは止めましょう!」でもないだろう。散人流の「結果が出る」対策をご披露する:

鳩山ポッポ目標を達成するために、一人一人の日本国民が、真剣に、心して、毎日やらねばならないこと:
  1. 国内旅行をしない。エネルギーの無駄遣いであるばかりでなく、公共交通機関を使えばバイ菌(インフルエンザウイルス)を貰ってしまう。タバコも吸えない。家にいる方がいい。
  2. 国産農産物は食わない。ニッポンの農業が如何に石油をじゃぶじゃぶ使う石油浪費型産業であるかは、実際現場を見てくればわかる。輸入農産物を食う。遙かに省エネ農業であるし、第一、国内の温暖化ガス産出量計算の対象とはならない。
  3. 「地産地消」をやらない。エネルギー計算で地産地消は非効率的であることが立証されている以上に、地産地消で喰っている人たちに所得を保障し養わねばならないので、扶養家族が多い分だけトータルの石油需要は増えてしまうのである。
  4. 回らない鮨屋で鮨を食わない。いわゆる高級国産魚とはエネルギーと資源の塊。漁船は毎日数十万円も軽油をじゃぶじゃぶ使いながら魚を獲るが、いわゆる高級魚を狙ってのこと。安い魚は捨ててしまう。高級養殖魚にしても自分の目方の何倍もの安い魚を食って育つ。まことに背源の無駄遣いである。
  5. 農水産物ばかりでなく、工業製品も国産品ではなく舶来の工業製品を買う。そうすれば国内で排出する温暖化ガスは確実に節約できるし、財布の節約にもなる。国産品はたいてい規制で守られているため規制で喰っている人たち(概ね公務員)を食わすためにその分、割高になっているからだ(外国では2万円程度で売られている国際VHF無線機が同じメーカーのものが国内では数十万円もする)。これまたニッポンでは扶養家族が多すぎるのでその分温暖化ガスの排出量は増えるという仕組みである。(錦の御旗は「安全・安全」、ニッポンでは人の命は地球より重いのだ)
  6. 子どもは出来るだけ少なくする。人間こそ温暖化ガス排出量増加の根本要因。
  7. 「グルメ」をしない。食い物は質実剛健で行く。毎日テレビで「オイシ〜!」の絶叫番組を見さされるのは、正直苦痛である。ニッポン人はかくまで食い物に卑しくなってしまったのかと、暗澹たる気分となる。

これらはなにもめずらしいことではない。かつての経団連会長土光さんは公団住宅に住んで毎日メザシを食っていた。アメリカのこどもたちのランチはピーナツバターサンドウィッチだし、ヨーロッパのブルジョワ家庭の朝飯はコーヒーとパンで、夕食はスープとパン、それにハムかチーズが普通。昔のニッポンももっと質実剛健だった。現代ニッポンだけが特定利権集団に踊らされた異常な消費行動をしているのである。その結果、みんなメタボ。なかにはダイエットする人もいるが、その結果虚弱体質となり病気になるので国民医療費が増えてしまう。これまたもったいないことである。

でも「消費生活アドバイサー」とか言う人は、こういう簡単な算数の計算が出来ないようで一切これについては触れない。彼らもまた「地産地消」で得する「既得権集団」に属しているから、しょうがないか。

2009年9月25日金曜日

NHK特報首都圏:介護に行き詰まりこどもが親を殺すケースが多発、どうするべきか?

これはわりかしいい問題提起:
特報首都圏 - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "特報首都圏「“介護殺人”〜親子の間で何が〜」

介護に行き詰まって、子どもが親を殺害する事件が相次いでいる。専門家によると、配偶者間とは違う親子故の関係が悲劇の原因だという。未然に防ぐ手立てはないのか考える。

介護に行き詰まって、息子や娘が親を殺害する“介護殺人”が相次いでいる。なぜ、悲劇につながったのか? 取材を進めると、配偶者間とは違い、お互いが強く依存しあう親子の特殊な関係性が浮かび上がってきた。また、働き盛りの世代ゆえ、自らの将来と親の介護との板挟みになり、苦悩する姿もある。どうすれば、息子・娘世代が抱える、介護の閉そく感を解消できるのか、考える。"

体制べったりのNHK流に物事をそんなに複雑に考えるのは、問題の本質から視線をはぐらかすことになってしまう(それこそNHKの意図するところかもしれないが)。問題の本質は簡単だ。ニッポンでは親の介護にかかる費用と負担が大きすぎることが問題なのだ。だから子どもが親の介護の負担に耐えきれず親を殺してしまうことになる。

われわれニッポン人は毎月高額の介護保険料を払わされている。でも、そのほとんどが、役人やら、ホームを経営するノーソン地主やら、冷房が効いた部屋で仕事をする介護関係の「知的労働者」の給料などに使われてしまい、肝腎の現場の介護労働者にはごく少額しか還元されない仕組みとなっている。すべて自由化して、介護労働者の入国を解禁さえしておれば、在宅介護費用も今より遙かに安くすんでいたはずであり、この番組で取りあげられているこどもたちも親を殺さなくてすんだはずだ。

介護を必要とするお年寄りは、エラソーな「知的労働者」なぞではなくて、フィリピン人でもなんでもいいから、現実に自分のおむつを替えてくれる現場の労働力を必要としている。ところがニッポンでは既得権集団の利益を守るために外国人介護労働者の入国は極度に制限され介護必要者のニーズはまるで満たされていないのである。結局こどもたちが自分の仕事を犠牲にしてでもやらなければいけなくなってしまっている。こういう理不尽な制度を見直すことこそ、このような悲劇を未然に防ぐすべである。

米国民主党の論客であるエドワード・リンカーンに言わせれば、日本の人口の54%は既得権で食っているという(ここ)。彼がそれを言ったのはいまから10年以上前のこと。その後のニッポンは、それが改善されるどころか、ますますその傾向が強まっている。ニッポンはやっぱり売りだ。

亀井静香:「(俺の徳政令に)官房長官はコメントする立場にない」……言わんこっちゃない、あんなのを入れたのがそもそもの間違い

亀井静香がいいよいよ本性を見せ始めた:
NIKKEI NET(日経ネット):亀井金融相、返済猶予制度「官房長官はコメントする立場にない」

「官房長官は黙ってろ」と言うことは内閣総理大臣の言うことも聴かないと言うことと同じ。民主党政権はいよいよ亀井静香に振り回されるだけの政権となりそう。

こんなことははじめてじゃない。村山社会党総理大臣を上手くおだてて祭り上げ、実務を当時の少数与党自民党の思うとおりに操ったのは亀井静香だった。

鳩山由紀夫が「政治哲学」なんて青臭いことにかまけているうちに、亀井静香は実体経済をどんどんあいつの思うとおりに組み上げていく。

選挙で選挙民から見放されたダメ政党(国民新党)がニッポンを牛耳る。世も末じゃ。

亀井静香がやろうとしている「モラトリアム」とは、まさに歴代日本政府が中世から繰り返してきた悪徳まみれの「徳政令」であり、人間社会の「倫理」に反することである。それこそ鳩山由紀夫の「政治哲学」に反するものではないのか?

2009年9月24日木曜日

農水族がたくさんいるところほど、自民党=農協がわーっと崩れて、今度は小沢一郎支持に回った - 株式日記と経済展望

これはとてもいい記事:
農水族がたくさんいるところほど、自民党=農協がわーっと崩れて、今度は小沢一郎支持に回った - 株式日記と経済展望: "農協(JA)とその最上級の幹部たちの集まりである全中(ぜんちゅう、全国農業協同組合中央会)というが、FTA(フリートレード・アクト、自由貿易協定)に反対した。これで民主党をつぶせると思うぐらいの大集会を、8月1日に東京に結集してやったんです。

古村君がさきほど言ったとおり、彼ら農協の大幹部たちは農業なんかやっていない。全国の駅前の、ビル持ち、土地持ち、アパート経営者で、金融資産家みたいなやつらです。一人で数百億円の資産を持っているような連中です。年がら背広を着て、会議ばかりで、農業(百姓)なんか全くやっていない人たちだ。"

可哀想な人たちを救ってあげなければいけないことは先刻承知。でも「救ってあげるつもり」で拠出した「都市貧民」のなけなしの税金のほとんどが「ノーソン金持ち」が横取りしてしまう。これが戦後60年間続いてきたニッポンのシステム。

民主党は、いまや「イナカ金持ちの利権を守る政党」へと変身してしまった(可哀想だといわれている農村家庭の平均所得は都市勤労者家庭の平均所得よりも、一人あたりで見ても、遙かに高い)。選挙民は決してそんなつもりで民主党に票を入れたわけではなかったと思う。「ニッポンの民主主義」は、まだまだ成熟過程。「支配階級(つまりのノーソン)」が裕福化し、大衆宣伝工作をファイナンス出来るだけのカネを持ってしまったのが諸悪の根源。テレビでは毎日「地球環境を守るノーソン万歳」番組ばかり。年寄りは免疫があるから騙されないけれど、今どきの若年層はまるでその宣伝を真に受けてしまう。ニッポンはいよいよだめになっていく。どうして「国益」ばかり気にするネットウヨはこの辺りを問題にしないのだろう? それは彼らネットウヨは、所詮歴代政府のバラマキ政策のおかげで、ひきこもりして働かないでも食っていける「ニッポンのヒャクショウ」の息子たちだと言うことに他ならない。

亀井静香「徳政令」に躍り喜ぶ「地球に優しい」ニッポン国民

亀井静香の「モラトリアム」とは、要は「徳政令」。「平成の徳政令」として長く歴史に名を残すことになるだろう。いままで歴代ニッポン政府が鎌倉時代以降常習的に行ってきた徳政令は、愚民には大受けであったものの、例外なく日本経済に悪影響を与えてしまった。これについては何度も書いた:

一々紹介するのは面倒なので、おいらのサイトを Google キーワード「徳政令」で検索したものを提示するにとどめる:

余丁町検索「徳政令」

得するのは、いままで効率の悪いことしかやってこなかった無能な生産者と人気取り政策で権力を握る政治家。損するのは真面目に働いてきた国民とこれからの日本国民(若年層及び生まれてくるこどもたち)。世も末じゃ。

免税軽油の手続き……いろいろ勉強になった!

以前安良里漁協で教えてもらった免税軽油の件(ここ)。藤井新大臣は来年4月で暫定税率は廃止すると言っているが、少なくともそれまでは余分に税金を払わねばならない。無駄な税金を払うのは剣呑なので今朝超面倒くさい手続きに新宿都税事務所に行ってきた。担当者は親切でしたよ。発見いろいろ:

  1. 印鑑証明と住民票が必要なので区役所に行くと自動交付機なるものが備えてある。これがあれば休日発行も可能でおまけに料金が安い。文明の進歩だ。なぜもっと前から導入しなかったんだろう?
  2. 電話で聞いた書類では足りず売買契約書の写しも必要とのこと。郵便で送ることで封筒を貰った。切手は自分で貼ってくれとのこと。しょうがない。
  3. 使用印鑑登録。これは登録給油所以外での給油の場合、切符(免許証という)の裏に裏書きをする必要があるが、ヨットに登録印鑑(実印)を常備しておくわけにはいかないのでそれ専用の印鑑を登録する。ヨットにもハンコがいるとは、ニッポンはハンコ社会。
  4. 必要推定軽油数量を、自分じゃ相当さばを読んだつもりで年間300リットルと書いたら、「そんなに少なくていいの」と目を丸くされた。ヨットの主機はセールでエンジンは補機に過ぎないのだが、新宿にはモーターボートユーザーばかり住んでる見たい。さっそく増量しておいた。
  5. 航海計画書も提出必要。毎月「夢の島ハーバー」や波布の港に機走で航海すると書いて提出。マイルの計算がやっかいだなと思ったら時間数と必要燃料数量を書くだけでいい。簡単簡単。
  6. 船の給油口に「新宿区お墨付きの免税軽油を使用する船舶である」旨のシールを貼り、後でその写真を提出する必要があるらしい。船舶関係のお役所はやたらシールが好きで何でもかんでもペタペタ貼る。船がシールだらけになるな。
  7. 毎月の燃料使用報告書のひな形を貰う。余った切符は別途書類を付けて返却する義務があるよし。100リットル券にした方が面倒がないよと言われるが、そんな単位で給油するわけがなく10リットル券で申請。
  8. 新宿都税事務所は駐車場付き。帰りに無料駐車券2時間分をくれる。昼飯時だったので小滝橋通りで食事して帰ってきてもまだ時間以内。それも面倒だったら都税事務所の地下に食堂がある。得した気分。

おいらは書類を書くだけでいいが、その審査をマジメにやろうと思ったらたいへん。これだけのたいへんな作業をこなす公務員もたいへん。余分な徴税や規制は、逆に税金の無駄遣いとはよくいったものだ。

2009年9月21日月曜日

「みんな一緒に仲良く楽しく」精神がニッポンを衰退させている(フランスの経済学者)

さるブログで紹介されていたページ。「空気を読む社会」がこういう状況を作り出しているという指摘は、まさにその通りだと思う:
Road to Harmonious Decline in Japan: "In 10 years or so, however, Japan could lose its status vis-a-vis the rest of Asia. Stagnation is already having a big impact on Japan's young, for whom it is becoming hard to find a job, let alone life-long employment in a leading global company.

Teenagers know that they will have fewer opportunities than their parents had. How they will pay for their parent's pensions and health care is unknown.

Most troubling is the absence of open debate about these matters. Japan is a hush-hush society, where everyone is supposed to guess what is going on, and the media are careful not to provoke social division.

Hard questions are not to be asked, and straightforward answers are considered too rude and crude to be given. Foreigners are welcome to make comments, but their advice will usually be ignored."

おいらみたいな「直言居士」は嫌われるのである。

ともあれ、もっと本音でストレートな議論が望まれるということは間違いないところ。NHK的「ポリカリーコレクト」なPTAおばさんばかりにみんなが振り回されていると、ホントに国が滅亡してしまうのである。

ちなみにこのフランス人が言う「生産性」を巡る議論は正論。労働時間を短縮したのは結構だが、生産性が悪いまま労働時間を短縮すれば当然産出量は低下する。まさにこの20年にニッポンで起こったことである。

2009年9月20日日曜日

なぞなぞ(エコロ系):なんで欧米では完全に死語となった「ロハス」がニッポンではもてはやされるのでしょうか?

テレビを見ているとまたしても「ロハス」礼讃番組。「ロハスはアホだね」とカミさんに言うと、「ロハスとはなんぞや、聞いたこともないぞ」という反応。うちのカミさんは60年代からの筋金入りのフランス左翼インテリで世界の新聞は毎日読破するという貴重な散人の情報源。それが「ロハスとはなんぞや」という。驚きました。さっそく調べてみると、その通りでした:
LOHAS - Wikipedia: "LOHAS(ロハス、ローハス)とはLifestyles Of Health And Sustainability (健康と持続可能性の(若しくはこれを重視する)ライフスタイル)の略。健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルを営利活動に結びつけるために生み出されたビジネス用語である。
日本では一時的に注目されたが現在では完全に下火となっている。"

そうだったのか! なんでNHKなぞのテレビではいまだに「ロハス礼讃番組」のオンパレードなのだろう。考えるにこういうことだろう:

つまり、「ロハス」をメシの種にしている農村既得権集団の影響力がニッポンではいまだにすごく強いと言うこと。日本の農協(全農)は巨額の資金量にまかせてニッポン最大の巨大広告会社や経営状態の悪いテレビ局を買収し、自分たちの都合のいいようにニッポン人の洗脳プログラムをはじめていることは既に知られていること。「ロハス」とはあいつらにとって恰好のキーワードだったわけ。おかげでナイーブなニッポンの主婦層は、ブランド信仰と同じ感覚でこれが世界のスタンダードだというばかりに「ロハス、ロハス」と喚くことになった。自分たちが時代遅れですごくカッコワルイということに気がつかされていないのである。

「温暖化ガス25%削減」についてもそう。世界のまともな国では誰もそんなことは真面目に考えていない。人口を減らす以外にはとても実現できない目標なのである。散人が小さいときの世界人口は20億人(中国は4億人)、いまや60億。日本も日露戦争当時は人口は3000万人に過ぎなかった。世界的に人口が増えすぎたことは事実。民主党が本気で温暖化ガス25%削減を言うなら、事後ピルの全面解禁や子供を作るのは罪であるとする「一人っ子政策」を導入するべきだろう。それをやらないで(まるで反対の「子育て支援」なんかやって)「国際的リーダーシップを発揮する」というのは、落ち目の国が伸び盛りの他国に桎梏をはめることで自国の相対的地位を維持しようとするエゴイスティックな陰謀にしか過ぎない。民主党がそこまで悪知恵があるとは思えないし、そもそもそんな国際的影響力はない。単なるアホなのである。

ともあれ農村既得権集団の宣伝に惑わされて「ロハス」なんか言っていると、世界的に恥をかくことになるというお話し。おわり。

民主党は見限った、河野太郎、頑張れ!

民主党政権は亀井静香に振り回されるだけの政権となりそう。民主党の誰よりも亀井の方がIQが高いし、カリスマもあり、人心掌握術に長けている。何よりも政治家の誰もが萎縮する警察情報に精通している。しかし亀井の問題は「みんな一緒に農村万歳」という危険な狂信的信念をもっていること。経済についても、たまにはまともなことを言うが、それはノーソンの「金蔓」を殺さないためにはそういうことが必要だという意味にしか過ぎない。民主党は見限った。むしろ自民党の将来の方に興味がある:
池田信夫 blog: "自民党にとって来年の参院選は生命線だ。ここで民主党が単独過半数をとったら連立を解消して安定政権になり、自民党が政権に復帰する道は絶たれて消滅の道をたどるかもしれない。逆に河野総裁を選出してみんなの党が復党し、新しい保守主義を掲げて闘えば、金融社会主義をとなえる亀井郵政・金融担当相やテレビ局べったりの発言を繰り返す原口総務相など、迷走し始めた鳩山政権に政策論争で勝つことはむずかしくない。"
今夜のNHKで自民党各総裁候補の演説を聴いたが、河野太郎が一番まともなことを言っている。

河野太郎は残念ながらテレビ映りがよくない。でもルックスだけで判断するのは女こどものやり方。世襲政治家であれなんであれ、まともな政治家は大歓迎だ。これで自民党が勝てるかというような勝ち負け「皮算用」は別にして、河野自民党総裁が誕生すれば、日本の政治の対立軸は、すごくすっきりとし、ニッポンの現実を反映したものとなる。ニッポンの国会ではじめて建設的な議論が可能となるのだ。

某REITは利回り12%にもなっている、買い戻し!

リーマンショックの時、慌てて半値でたたき売った野村世界不動産投信だが、その後さらに1/4まで値を下げた後、最近はじりじりと上がっている。分配金も増額されいまの値段で買うと分配金利回りは実に年12%。売り払って得た金額をそのまま買い戻しに使う。売り払う前より数量が増えた。レント金額も増えた。ザマミロだな。

歳をとると元本よりリターンの方が大切。不動産価格は壊滅的だが、賃料はそれほど壊滅的でもない。その分利回りが高くなる。不動産価格もいつかは回復する。回復しなくてもまたそれでもいい。こういう投資は年寄り向き。

2009年9月19日土曜日

東京都内の道路渋滞は最悪、都市貧民はもっと怒るべきだ!

連休中の交通渋滞を避けようとして東京に帰ってきた。上り線は東京に到着するまでスイスイだったのだが、用賀料金所を過ぎた途端、完全にスタック。首都高速線は全く機能してないし、環8も駐車場状態、246号線はもっとひどい。これは都市とはとても言えない。イナカではどこでも道路は整備されているんだけれど、東京のいわゆる「エライ」郊外住宅地域の道路状況はまさに後進国以下。はっきり言って「最低」である。

おいらのカーナビは毎年最新のCDデータと入れ替えるんだけれど、とてもイナカの道路建設にはついて行けない。イナカではどんどん新しい道路が出来上がるのでカーナビメーカーはとても追いつけないのだ。それに反して首都圏では、旧態依然というか、とても先進国とは思えないような道路状態のままだ。人が住めるような状況とは言えない。

戦後の自民党政権による、都市住民のお金をぶんどってイナカ住民に配分するという所得移転政策が続けられてきた結果、こんな状態となった。民主党政権になって変わるのかと思えば、あいかわらずイナカへの所得移転政策を続けていく腹のようだ。あいつらイナカモンが票を握っている限り都市住民は浮かばれないのである。イナカに毟られ「貧民」と化してしまった「都市住民」はもっと怒れ!

2009年9月15日火曜日

亀井静香が郵政を担当することになった……ニッポンは売りだな

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで: "国民新党の亀井静香代表は15日午後、民主党の鳩山由紀夫代表から電話を受け、16日発足の新内閣での防衛相起用の要請を取り下げ、金融相と郵政民営化見直し担当相の再提示を受けたことを明らかにした。亀井氏は受諾する。(14:30)"
鳩山がここまでアホとは思わなかった。ニッポンは売りだ。

豪ドル建て債券を購入。一時より下がったとはいえまだ5%前後でいくらでもある。強い円がのぞましいという発言を繰り返している民主党の本音は、海外への資産逃避が本当に怖いからだろうね。そのために円を売れば後でひどい目にあうぞと「恐喝」を繰り返しているのだ。郵貯はこれでバラマキの財源と化して政府のいいなりに日本国債を買いまくるだろう。株も下がるのでお金は郵貯に行かざるを得ないだろうが、それもやがては尽きる。不況下のハイパーインフレ。

自民党が戦後それに頼り続けてきた「ノーソン既得権集団」との腐れ縁が切れるのは、本来とてもいいことであったはずだった。社会の価値観にはなんの変化もなく所詮同じような連中が政治権力を握るのだが、従来の支配階級と既得権層が別の支配階級と既得権層に入れ替わることに意義があったのだ。淀みまくっていた社会の「空気」が新しくなると期待されていた。でも亀井静香の復活でニッポンはまたぞろ「ノーソン・ムラ社会」政治に復帰することが決定的になった。お金は海外に移した方がいい。

ソフトバンク社債(第29回)が回ってきた

やたら人気があるらしく難しそうだったが、残り物をかき集めてようやく希望数量確保。へんてこりんな財務特約が着いているが下記サイトで上手く解説されている:

個人向け社債ウォッチ!: ソフトバンクの個人向け社債金利決定4.52%: "この社債には担保提供制限条項、担付切替条項、そして財務制限条項がついています。これはどういうものかについて解説します。"

まあ、三年は大丈夫だろう、と勝手に考える。

2009年9月14日月曜日

「日本料理は最悪だった、二度と日本料理は食べない」(ウォーレン・バフェット)

今週の日経ヴェリタスで紹介された本:


ソニーの森田昭夫の自宅の招待された際、バフェットは森田宅への出張板前が目の前で作った日本料理に、一口食べただけで後は一切口を付けなかったという。「日本料理はこりごり」だとバフェットは言う。いささか知的好奇心に欠けているのではないかと思ってしまうが、ウォーレン・バフェットは、時代の流れを的確に把握する人だからこそ成功した人なのである。彼はニッポンをこの時点で見限ったのではないか。

おいらは嘗てニッポンウヨのひとりだったから、日本料理を食べない外国人は知的好奇心が足らない人間であると彼らを罵倒し続けてきた。でも、ウォーレン・バフェットは「知的好奇心に欠ける」どころか非常に知的好奇心が豊かな人。日本食が好きとか嫌いとかは、一切知的好奇心とは関係ないのである。

90年代のニューヨークや西海岸のバブル世代でスシが流行したのは、当時の日本が経済的実力を持っていたからに他ならない。いまやニッポン経済は完全にビンボーで非力になってしまったので、スシがエライというバブル文化も、いまやすたれてしまった。NHKなんかが朝から晩まで放送し続けている「ニッポンこそ一番」という自己満足的イナカ文化迎合放送も、いまや時代の流れから遊離してしまっているのだ。

「地産地消」にしてもそう。極度に栄養に乏しいくせに値段だけはバカダカイ国産食品を、ニッポンナショナリズムに訴えてみんなに食わせようとしても、経済合理性に反する以上、長続きはしないのである。

あいつらを保護するため天文学的な税金が投入されているのは、もってのほかである。そのおかげでますますニッポンはビンボーになってしまうのだ。いつになったら国民はその事実に気がつくのか。おいらはその前に死んでしまうだろうが、義憤を感じる。

手間ばかりを掛けたこだわりの自己満足だけで実質がない「料亭日本料理」に、ウォーレン・バフェットはニッポンの本質を見たのだと思う。

2009年9月13日日曜日

内田樹:「子供の数が減ったのは、子供の数が増えすぎたからである」……これはすごい名言

これはすごいですよ:
増子化対策 (内田樹の研究室): "子供の数が減ったのは、子供の数が増えすぎたからである。"
20歳以下のホントの子どもが増えたとか言う問題ではないのである。「20歳以上の大人の子供が増えすぎた」のが少子化の原因であるとのこと。全く同感。

最近のNHKテレビでの子どものインタビューを見ると、「みんな仲良くしないといけないと思います〜」だとか「地球の温暖化を防がないといけないと思います〜」だとか、まるで大人が言っていることと同じことを言う子供が増えた。ヘンだな〜と思っていたのだが。内田樹式の解釈をとると、すべてが説明が付く。子どもが大人びているのではなく、ニッポンの大人が子どものままなのであった。NHK番組なんかすべてこれ。子ども的価値観のままなのである。

つまりニッポンの「大人」が「こども」のままの未熟な精神状態で生きていると言うこと。ネットウヨもその類である。民主党の鳩山はこのニッポン人の「一億総子ども化」現象を良く理解しており、それをマニフェストにうまく取り入れて選挙に勝つことに成功したのであった。

でも、それはとても危険な賭でもある。下手をすると(現実にそうなりそうだが)、それをうまく利用しようとした鳩山自身が「ニッポンの空気」に呑まれてしまいかねない。

鳩山が「一億総子ども化」した「ニッポンの空気」をどこまでコントロールできるか、それにニッポンの将来がかかっている。上手く行かねば、新たな「失われた10年」は確実である。それは覚悟して置いた方がいい。

2009年9月12日土曜日

ガマガエルは「キュッキュッ」と啼く!

午後から雨。夕刻暗くなってから新聞を取りに庭に出る。先日安良里で向こう脛をすりむき足が痛いので、杖の替わりに床ブラシを使う。レンガの舗道の上にガマガエルが二匹。うちに住みついているガマガエルは一匹なのだが、ガールフレンドかボーイフレンドかを連れ込んだ模様。床ブラシで追い払うと高い声で「キュッキュッ」と啼いた。

ガマガエルの鳴き声をいろいろ調べてみたが、普通はもっとのんびりした声で啼くようだ。「キュッキュッ」という高い声は警戒発声なのだろう。おいらが彼らのストレスを高めてしまったようだ。

9/12 Today 水路記念日

こういう記念日があったのだ:
海上保安庁 Japan Coast Guard:”9月12日は水路記念日!日本の海図作成がスタートした138年前のこの日を記念し、海洋情報資料館の特別公開を開催します。明治4年9月12日(新暦換算)、我が国の海図作成機関として、兵部省海軍部水路局が誕生しました。”
たいへん大切な情報であり、苦労して作ってきたことは分かるけど、なんで海図ってあんなに高いんだろう? 輸入のGPSプロッターに入っている日本周辺海図の方がよほど安い。メリケン政府はGPSデータを全地球にタダで配信している。ニッポンもそろそろ海図データはパブリックドメインとしてもいいんじゃないか?

ともあれ、
水路記念日に併せ、海上保安庁海洋情報部の海洋情報資料館において、伊能図などの貴重な資料を特別公開します。
○海洋情報資料館特別公開
(1) 主な内容
①伊能図(原寸・縮小模写図)
明治の初めに海図作成に活用するため伊能図原本から原寸模写された「豊後(別府、大分)」「豊後日向(津久見、佐伯)」「肥後日向(宮崎)」の三図及び縮小模写された関東周辺の「武蔵相模」「安房上総」「駿河伊豆相模」など
②軍機海図
昭和15年から18年に刊行された横須賀軍港付近の軍機海図
③東京湾の変遷を示す海図
明治以降の時代とともに移りゆく東京湾の様子を示す海図
④秘密海図・大日本海岸実測図
明治時代に刊行された海図を地図帳形式にまとめたもの
⑤その他
我が国最初の釜石港の海図と銅版並びに明治初期に使用した測量機材、日本海軍航空図等の貴重な資料
(2) 期間:平成21年9月14日(月)~16日(水)午後1時~午後5時
(3) 場所:海洋情報資料館(海上保安庁海洋情報部庁舎内:別図参照)
東京都中央区築地5丁目3番1号
(4) 問い合わせ先:電話03-3541-3686 海洋情報部企画課

とのこと。

2009年9月11日金曜日

高速道路の無料化はそんなに悪いことなのだろうか?

ちらっと見たこの番組。高速道路の無料化は合理的でないと猪瀬がいい、みんなが賛同している:
BSフジLIVE PRIME NEWS - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "近年、私たちを取り巻く環境は刻々と変わり、それらの情報は日々のニュースによって伝えられている。ねじれ国会や相次ぐ首相交代などで混乱する日本の政治。また、100年に一度といわれる未曾有の世界経済の危機と変わろうとする世界の勢力図。そして予想を超えるスピードで進行する地球温暖化。しかしこれらの情報は、その“問題の複雑さ”と“錯綜する情報”により「どこへ行けば良いのか?」、「何をしなければならないのか?」、「複雑な問題についてもっと知りたい」など、さまざまな考えや思いを抱いている人も少なくないだろう。そこでBSフジとフジテレビは、そんな方々へお届けする番組を制作、放送する。それが『BSフジLIVE PRIME NEWS

維持管理費用をどうするのかとか枝葉末節の議論を展開している。だったら国道の維持費はどうなのか。まずあの「切符切り」の人件費(ETCシステム費用も含めて)を節約することの方が国民経済的には合理的じゃないのか。あんな仕事は誰もがやりたくない仕事だろう。なくなってしまった方が、切符切りをしている人も含め、みんなのためになる。無料にして困るのは、このシステムで高給を得ている既得権官僚OBだけ。おまけに高速道路サービスエリアでメシを食おうと思えば、市場価格からかけ離れた代金を請求される。みんなが閉鎖的なサービスエリアで営業できることが出来ればあんなこともないだろうし、これまたみんなの利益に繋がる。

経済の議論では、どうすればトータルで一番コストが節約できるかという観点が重要。これを忘れれば「いまそれでメシを食っている人」の利権保護のための主張に振り回されることとなる。これは高速道路だけの問題ではない。ニッポンの農業問題もまさにこういう桎梏に陥っている。ニッポンの介護問題もそう。ニッポンの環境問題もいまどんどん利権化しつつある。このままじゃ、ニッポンはますますだめになる。


2009年9月9日水曜日

9/9 Today 毛沢東が死ぬ(1976)

沢東 - Wikipedia: "毛 沢東(もう たくとう、1893年12月26日 - 1976年9月9日)は、中華人民共和国の政治家、軍人、思想家。字は詠芝、潤芝、潤之、筆名は子任。中国共産党の創立党員であり、中華人民共和国の建国の父とされている。創立の1949年から死去する1976年まで、同国の最高権力者の地位にあった。"

彼の「政策」のおかげで数千万人の中国人が餓死したとも言われている。思いこみが強い人間が絶対権力を握るとたいへんなことになるという例。それなのにアホな国民は、毛の演出で集団ヒステリーにかかり、熱狂的に彼を支持した。

いまのニッポンの「いくらお金がかかってもいいからシロクマを守ろう」政策も、国民は圧倒的に支持をしているらしい。鳩山流「大躍進」政策は、日本経済を大躍進させるどころか、シロクマを守るだけのものとなりつつある。しかもシロクマ(北極グマ)は泳げるのを知らないらしい。

2009年9月8日火曜日

NHKクローズアップ現代:値下げが止まらない!

またしてもデフレ値下げで苦しむのは農村住民だ、税金を使って彼らをなんとか支援してやらねばならないというNHK的「月並み」番組:
クローズアップ現代 - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "クローズアップ現代「値下げが止まらない〜秋商戦の舞台裏〜」リーマンショックからまもなく1年。消費者物価指数は過去最大の下落率を記録、かつてない値下げが進む。老舗メーカーやデパートに密着、秋商戦の最前線とその影響を追う。【出演】第一生命経済研究所主席エコノミスト…熊野英生,経済ジャーナリスト…荻原博子,【キャスター】国谷裕子"
そうじゃないだろう。いままであまりにも高かったバブル価格がやっと是正されてきたと言うだけの話。日常的食品は言うに及ばず、日本では伝統的に無料とされてきたお茶ですら、バブル以降、たかがお茶を飲むのに一杯120円を払わねばならないとされてしまった。

これでも大儲けして笑いが止まらなかったのはイナカの利権集団。みんな大金持ちになったが、損したのは都市部の貧民たち。老後の蓄えすらあいつらに摺り取られてしまい、途方に暮れている。どう考えても不条理である。是正されてしかるべきはいままでの「バブル現象」であり、いまの「値下げ現象」ではないのだ。

それにしてもクニヤは単純。番組の意図に迎合するゲストには「満面の笑み」を浮かべて同感の意を示す。そうでないゲストにはポカンと口を開けた「白痴顔」を見せる。これこそいまのNHKを具現化した表情に他ならない。つまりクニヤはいまのニッポンの「空気」そのものなのであり、それだからNHKのエライ人には評価が高く、彼女はそれで食っているのだ。ニッポン文化の知的退化は、嘆かわしい限りである。

2009年9月7日月曜日

「温暖化ガス25%削減」で、損する人と得する人

なんか本気らしい:
NIKKEI NET(日経ネット):温暖化ガス、鳩山氏「90年比25%削減」 中期目標明言: "民主党の鳩山由紀夫代表は7日、都内で開いたシンポジウムで講演し、日本の温暖化ガス削減の中期目標について「2020年までに1990年比25%削減を目指す」と表明した。6月に麻生太郎首相が表明した現政権の「05年比15%削減」を大きく上回る削減目標となる。22日にニューヨークで開く国連気候変動サミットに出席し、新たな中期目標を国際社会に打ち出す考えも示した。"
これで「シロクマ」が溺れずにすんだと言うことで「環境エコロ」は大満足らしいが、経済全体や実際に仕事をしてお金を稼いでいる人たちにとってはたいへんなこととなる。

無駄を省くことは当然として、結局はニッポンの「GDP(国内総生産)」を今後継続的に縮小させるほか、有効な実現策は見あたらない。その中で「個人」はどう生き延びていたらいいのか? こりゃ個人ベースでの「個別対応」しかない。おいらの防衛策を披露する:

  1. 今後ますますニッポン人はビンボーになるのだから、なによりもまず、いまある限られた「富」を将来の更なる困窮期に向けて保全することを最優先に考えるべき。つまり「貯金」である。
  2. でもいまのニッポンではそれほど難しいことではない。家計ベースでも無駄遣いがあまりに多い。無駄遣いを止めることだけで「貯金」は可能なのである。
  3. いままで国民に無駄遣いをさせて不当に儲けてきた「悪徳ビジネス」をさらに儲けさせないことこそがまず第一歩。たかがメロンやマンゴーに一個20万円もぶったくったり、一匹数千円もする○○鯖を食うことや、バカダカイ地産地消の「無農薬有機野菜」とやらを食うことが「カッコイイのだ〜」との幻想を大手広告会社を起用してナイーブな大衆に「イメージ」とやらを刷り込み、副業だというが実は本業の不動産取引で濡れ手のアワの大儲けを実現してきた農村地主にさらにボラれないこと。テレビの「オイシ〜」番組に踊らされてイナカの温泉旅館にボッたくられないことも大切。高速が安くなったからといってアホみたいに遠出をしないこと。結局余分にお金を使ってしまう。とにかく食い物への支出の割合(エンゲル係数)を国際水準まで下げるだけで国民生涯支出で一世帯当たり数千万円にも節約できることになる。それを貯金する。
  4. さらに、たかが塩化ビニールで作られたバッグを、一つ数万円で販売してきた某世界企業に儲けさせるのは止めよう。アホなOLやキャバクラのホステスはそれが価値あるものと信じて大枚を支出していたようだが、世界広しといえどこれほど宣伝に甘くて業者が儲かる消費者市場はニッポン以外には(最近の中国の成金を除いては)なかったそうだ。
  5. ニッポンの男もOLを嗤えない。座るだけで数万円もぶったくる銀座のバーとか、偉ぶっている鮨屋の大将にへつらって、一万円札で勘定をバンバン払うことが「粋で都会的」と信じていたアホもそうだ。ほとんどがイナカ出身のナイーブな顧客。
  6. こんな無駄遣いでGDPを押し上げていてもなんの役にも立たなかったのである。
  7. もっとも国際競争力のある企業にとってはたいへん。経済的なエネルギーを使ってはいけないとなれば日本国内で生産活動をやっている限り確実にグローバル競争に負けるだろう。当然、生産拠点は海外に移すことになる。これが出来るかどうかで、企業の生き残りが決まる。海外に生産拠点を移すことに成功した企業の株価は上がる。出来なかった企業の株価は下がる。株価が下がるどころか倒産だろう。株式投資の選別はこういう観点からやるべし。
  8. 公務員や農家は、経済が潰れても自分の所得だけは制度上保障されるので、得する人たちに分類される。国際水準をはるかに越える「石油じゃぶじゃぶ消費」をやっているニッポンの農家も、過大評価された票数をもっている限り政治的にそれを抑えることは出来ないから、あいかわらず従来型の石油じゃぶじゃぶ消費を続けることになる。みんなが彼らの生産物を買わなくなっても財政で補填されるから安心安心。経済成長には貢献しない農家や公務員に婿入り(嫁入り)するのが21世紀のニッポンでは都市住民の正しい生き残り戦術となり、日本経済では非効率的な低生産的分野への限られた経済資源の配分が一層進み、経済は歪曲化され、さらにみんながビンボーになることとなる。
  9. 一番可哀想なのは、いまの勤労者層(若年層)と今後生まれてくるこどもたち。多くは職を失い、ビンボーになったニッポンで親の世代が作った借金だけが押しつけられて、一生借金地獄の生活を送ることになる。子供は産まない方がいい。
  10. 老人はどうか。長生きするかどうかで損得は決まる。長生きすれば次の世代からの負担を享受できるという意味で損得勘定では得。早く死ねば損。たいていは長生きするから経済には負担となる。でも早く死ねば、将来の悲惨なニッポンの姿を見なくてもいいという意味で、精神衛生上はそのほうが良いのかも知れない。おいらも早く死にたい。
付言すると、将来の日本は「GDP」じゃなく「GNP」を指向するのだと言うことであれば(つまり海外からの配当収入で食うのだというのであれば)、鳩山さんの政策も一貫性をもつ。でも植民地主義が否定されてからはや100年。海外から好きなだけお金を搾り取るというGNPの極大化政策は現実的じゃないし周辺国はいくらでも対抗策をもつようになった。それが出来ないのであれば移民労働者を国内に吸収し国内に「第三世界」を創出するしかない。それも見識である。GDP指向でもやっていけるだろう。いまのアメリカだね。それがいいのかも知れないが、今度はニッポンウヨが反対する。ニッポンはいろいろ難しい。

2009年9月6日日曜日

日経:冷凍食品の売上が回復……ヒステリー現象は長続きしない、日本人のバランス感覚か

これは、いいニュースだと思う:
NIKKEI NET(日経ネット):家庭用冷食の売り上げ回復 味の素やマルハニチロ: "中国製冷凍ギョーザの中毒事件で冷え込んでいた家庭用冷凍食品の販売が回復しつつある。家庭用最大手の味の素で主力のギョーザの売り上げが伸びているほか、マルハニチロホールディングスの足元の販売額は事件前の水準を上回った。需要低迷に伴う特売の拡大で価格低下が進んだほか、家庭で食事をする消費者が増えたためで、増産の動きも出てきた。"
考えてみればあの「毒餃子事件」でのニッポン消費者の過剰反応は異常だった。それを利用して儲けようとするイナカ既得権集団の利益追究本能とニッポンウヨの「ニッポンナショナリズム」ともろに合致したから、すさまじい盛り上がりを見せたのである。でも、しばらくすると人々は平常心を取り戻す。

土壌学的にもともとミネラルが極小しか入らない「国産野菜」などにお金を使うのはお金の無駄遣いにしか過ぎない。大陸からのミネラル豊富な冷凍野菜の方がよほど栄養がある。人々もようやくそれに気がついた。ニッポンも捨てたものではないのである。

2009年9月2日水曜日

NHK「クロ現」政権交代:民主党の大塚耕平はなかなかいい!

一貫してイナカ利権代弁者であるNHK「クローズアップ現代」も、たまにはいい放送もする:
クローズアップ現代 NHK9月2日(水)放送 シリーズ政権交代(2)どう変わる暮らしと景気

「生活第一」を掲げ、自民党に圧勝した民主党。政権公約・マニフェストでは、年間31万円あまりの子ども手当や公立高校の無償化、農業の戸別所得補償など、家計を直接支援する総額16.8兆円の政策を並べました。しかし、財源確保のための公共事業削減や労働者を守るための最低賃金引き上げなどは、経済へマイナスの影響があると指摘する声もあります。民主党政権でわたしたちの暮らしはどう変わるのか。中長期的な経済政策はどんなものなのか。民主党の政策責任者に聞きます。

スタジオゲスト : 大塚 耕平さん
    (民主党政策調査会副会長)

NHKも政権交代となるとこういう人も出演させざるを得なくなるのだ。アワを食っているクニヤの顔が見ものだった。自民党と民主党の政策(マニフェスト)はよく似ているが、根本的なところで全く違う。それがよく分かる説明であった。ニッポンもそう捨てたものではない。

要は、民主党は今まで自民党が政策目標として掲げてきた「イナカの弱者救済」のための間接的な政策をより「直接的」なものにするという。つまりいままで「弱者救済」を口実に儲けまくってきたイナカの金持ちの「中間搾取」を排除するのだという。まったく正しい。

困っている地方住民を救えという掛け声の下に巨額の税金が投入されて、その結果イナカの金持ちを儲けさせるだけのことになってしまった公共事業や農業保護政策は言うに及ばず、ニッポンの悪名高い介護保険制度にしてもそうだ。国民が払う介護保険料の9割までが介護で食っている事業者の間接的な事務経費に消えてなくなり、実際に年寄りのおむつを替えてくれる介護者には1割しか払われないという。イナカへのバラマキ公共事業はもっとひどいだろう。自民党が支えてきた戦後の55年体制とはまさにそういうシステムだったのである。国民が払う税金のほとんどが可哀想な地方住民を助けるという「錦の御旗」の名目のもとに、実際は既に金持ちであるイナカの既得権集団をより肥らせるためだけに使われてしまっていたのだ。おかげであいつら利権集団は以前よりもっと金持ちになったが(イナカに建て並ぶの大豪邸を見よ)、本当に困っている人にはお金は回らなかった。いや回らせなかった。弱者が救済されてしまえれば「錦の御旗」がなくなるからだ。それがニッポン(自民党)システムであった。

こういうまっとうな発言をできる人が「ポリティカリーコレクト」といいながら実際は既得権益集団の代弁者に過ぎなかったNHKにやっと登場出来るようになった。NHKも、彼は与党議員であるからしかたなく出演させたと言うところか。ニッポンも捨てたものではない。政権交代してホントによかった。

2009年8月28日金曜日

日経:失業率史上最悪、叫びの悲鳴「人気取りより安全網」

今日の日経夕刊の社会面。具体的なだけに迫力がある。このような悲惨な状況に追い込まれている都市労働者と、一方で既得権と政治力に守られ、世界大不況の現実はよそ事としてぬくぬくと生活している農村既得権集団との落差はあまりにも大きい。義憤を感じる。以下日経記事要旨:

  1. ハローワーク池袋には朝から職を求める若者や女性らがひっきりなしに訪れる。
  2. 昨秋解雇された板橋区の男性(41)は「どんどん求人数が減っている。1件の求人に対し100人が応募することもある」と途方に暮れている。
  3. 職と住まいを失った人に神奈川県が提供している施設では32人が不安の毎日を過ごす。

  4. 機械器具製造会社を解雇された男性(46)は、月13万円の失業手当でやりくりをするが食事は1日に1回、白米とインスタントラーメンで空腹を紛らわす。
  5. 中野区の女性(56)は約12万円の失業手当から、昨年の収入を基準とした税金や社会保障を差し引かれると5万円しか残らない。「今の政策が現場では矛盾だらけなことに政治は気がついていない」という。
  6. 新宿区の男性(46)は妻と相前後して職を失った。「年越し派遣村」に足を運んだ。「派遣村は本来なら国がやるべき仕事」と腹を立てる。
  7. 半導体部品製造工場で派遣切りにあった松戸市の男性(36)は、民主党などは製造業派遣禁止を政策としてあげていることに「企業に正社員を雇う体力がないのに禁止したら100万人単位の失業者が出る」と批判する。「人気取りの政策ではなく、きちんとしたセイフティーネットを作るのが政治の役割のはずだ」と。

まさに悲惨だ。新宿みたいな都市部に住んでいるとその悲惨さが実感として肌で感じる。でもこういう悲鳴の声は、現代ニッポンでは政治に反映されない。政治力を持つイナカの既得権集団だけが面倒見て貰えるシステムになっているからだ。ここ:
農政に見る民主主義の罠 - Chikirinの日記: "今回の選挙のマニュフェスト比較で、もっとも「どっちもどっち」なのが農業政策。自民党も民主党もその他の党も基本的な主張は同じ。「貧しくて非効率で高齢化が進んでいる、超かわいそうな農家を守り抜く所存でありますっ!」ということらしい。

他の点に関してはそれなりの対立点もあるのに、なんで農業だけ皆で意見が同じになるのか。これが最初の疑問。

それからもうひとつ。これだけすべての党が「農家を支援します!」と叫んでいるのに、少なくともマスコミが拾ってくる“農家の声”には全くポジティブなものがない。これもとても不思議。こんだけ“農家向け”の公約が用意されてるのに、なぜ田んぼやら畑でインタビューを受けている人は嬉しくなさそうですの?"

最後まで読まれることをおすすめする。これはとてもよく書けたブログ記事だと思う。ニッポンの問題の本質はここにあるからだ。

しかし、とてもよく書けているこの記事に対し、批判的な罵詈雑言が多く寄せられている。しょせんネットの出来事ではあるが、ニッポン人にはイナカ出身者(つまりイナカモン優遇政策の受益者)もしくは心情的イナカモンが多いのだな〜と、天を仰いでしまった。

こういう状況では日本の金融市場はますます海外から相手にされなくなる。いまや日本株式市場は「イレレバント(無関係)」とウォール街ではみなされているそうだ(日経「ウォール街ラウンドアップ})。日本の金融関係者にはナショナリストが多いが、もともとイナカ出身者が多いことも原因かもしれない(なにせイナカでは公務員となるか銀行に勤めるのがいいこととなってきたから)。いくら嘗て国際競争力があった日本産業が頑張っても、またいくらウヨ金融評論家が「ニッポンはこれでいいのだ〜!」と詭弁を講じても、日本株は売りだな。

8/28 Today 大伴家持が死ぬ(785)

大伴家持 - Wikipedia: "大伴 家持(おおとも の やかもち、養老2年(718年)頃 - 延暦4年8月28日(785年10月5日))は奈良時代の政治家、歌人。三十六歌仙の一人。大納言大伴安麻呂の孫。大納言大伴旅人の子。従三位・中納言。

長歌・短歌など合計473首が『万葉集』に収められており、『万葉集』全体の1割を超えている。このことから家持が『万葉集』の編纂に拘わったと考えられている。『万葉集』卷十七~二十は、私家集の観もある。『万葉集』の最後は、天平宝字3年(759年)正月の「新しき年の始の初春の 今日降る雪のいや重け吉事(よごと)」(卷二十-4516)である。

延暦2年(783年)、中納言に昇進するが兼任していた陸奥按察使持節征東将軍の職務のために陸奥に滞在中に没した。"
家持が編集した「万葉集」抜きでは日本文化は語れない。それほど偉大な業績を残した。しかし晩年は不遇であった。

天平宝字3年正月の家持最後の歌「新しき年の始めの初春の……」以降、家持は歌を詠まぬ人となった。死ぬまで実に22年間、歌を詠んでいない。どういう心境だったのだろうか。

名門大伴家の家長として台頭する新興勢力藤原家との抗争に明け暮れ、最後はそれに敗れたと見るのが一般的な見方。家持にとっては、政治は芸術よりも大切だったのである。家持はとても真面目な人だったのだと思う。

2009年8月27日木曜日

「平成検地」で農家のエゴとモンスター化を抑え、国土全体の荒廃化を阻止せよ!(神門善久)

今日の日経「経済教室」で神門善久が良いことを書いている。農業問題というより、まさにニッポンの問題を真っ向から指摘している好論文だ。ここで指摘されている問題こそが日本経済がいま長期低迷に陥っている本当の原因なのである。タダで貰った農地の所有権をもとに消費者の負担で大儲けしながら日本経済に寄生している「偽装農家」の存在だ。この論文は、普通のナイーブなニッポンのエコロとか主婦層にとっては知らないことが多いだけに、必読文献である:

要旨:
  1. 一般に農地所有者というと「米作を中心に生計をなす昔ながらの純朴な農家」をイメージしがちである。残念ながら、それらの印象は、現実とかけ離れている。
  2. 日本の稲作農家は200万戸以上あるが、稲作を主な収益源にしている農家は8万戸に過ぎない。残りの圧倒的多数は、細々と農業を続ける振りをしながら、真の狙いは農外転用による「濡れ手に粟の収入」を狙っている農家だ。いわば「偽装農家」だ。
  3. 農地を相続したもののすっかり耕作意欲を失った「土地持ち非農家」も120万戸ある。不動産業者や産業廃棄物業者などと組んで、転用目的で農地を利用しようと画策する例は後を絶たない。
  4. 「偽装農家」は、転用機会に備えるため、農地の貸し出しよりも耕作放棄を選択する。農地への相続税の優遇もそれに拍車を掛けている。
  5. 非営農目的での農地の所有や利用が蔓延している。これが真の問題である。
  6. 今年6月に成立した改正農地法には大きな問題がある。今まで「偽装農家」の利益を考えて、不正な農地転用に見て見ぬふりをしてきた農業委員会に権限を与えている限り、ことが変化するとは思えない。むしろますます農地の不正利用が進むおそれが強い。
  7. 真の問題はコメの慢性的な生産過剰にある。
  8. 一般に農業をことさら「美化」する風潮があることを筆者は危惧する。農業の実像は、地権者がエゴを隠さず農地利用者がモンスター化し、農地行政もそれを見て見ぬふりをする悪循環に陥っている。これを何とかしなければ、農業全体の衰退のみならず国土全体の荒廃を招く。
  9. まずは現状把握に傾注するべき。真っ先にすることは「平成の検地」だ。日本には農地利用を記録するための法定台帳が存在しない。これが違法脱税行為の温床となっている。
  10. このような状態が放置されている限り、日本の土地利用の秩序回復はない。

いやあ、よく言った、神門善久。ニッポンの衰退の根本原因は、狭い日本の土地利用で、すさまじいばかりの地権者エゴが渦巻いていることにある。ヒャクショウ地主のエゴを何とか抑えない限り、日本の将来はない。

2009年8月26日水曜日

ノンフィクション『パーフェクトストーム』に登場するトミザワ氏と「サトリ号」とは?

今日読んだ本:

ハリケーンの描写がすごい。日本人も登場する(トミザワ)。また「サトリ号」という抹香臭い名前のヨットも登場。日本のマグロ漁船も。それぞれ書き方にちょっと不自然な点がある(おいらはその当たりわりかし鼻が利く)。変だなと思って調べてみたら、こんな「事実」が分かった。

そのトミザワさんのホームページ。富沢さんはカンカンである:
パーフェクトストーム セバスチャンユンガー PERFECT STORM SEBASTIAN JUNGER ヨット 遭難 SOS コーストガード ドキュメンタリー MAKOTO TOMIZAWA: "PERFECT STORM SEBASTIAN JUNGER

パーフェクトストーム

原作者セバスチャンユンガーの欺瞞を暴く!!"

トミザワさんは実在したのだ。おまけに同時期に遭難したという「サトリ号」についても富沢さんのヨットをベースに捏造したお話しだという。

訳者後書きに遭難した日本のマグロ漁船の船長さんとのインタビューも載っているが、それもかなり書かれた状況とは違っていたようだ。

(勇敢でエライのは女ばかりというのも気になるし……)

いろいろおかしなところはあるが、当時(1990年)の米国社会というのは、こういう本を必要としていたんだろうね。いろんな意味で面白い。

8/26 Today サイデンステッカーが死ぬ(2007)

エドワード・G・サイデンステッカー - Wikipedia:"エドワード・ジョージ・サイデンステッカー(Edward George Seidensticker, 1921年2月11日 - 2007年8月26日)は、日本文学作品の翻訳を通して、日本の文化を広く紹介したアメリカ人の日本学者。より正確には「サイデンスティッカー」だが、親しみをこめて「サイデンさん」などと呼ばれる。"
ところで、サイデンステッカーが一番愛した日本の作家は誰かご存じか?

永井荷風なのである。ここ:
サイデンステッカーが一番愛した日本の作家、永井荷風: "今朝の日経書評欄で日本文学研 究家で「源氏物語」の英訳者でもあるE・G・サイデンステッカーの新しい本が紹介されている。評者は桶谷秀昭氏。その中で桶谷氏は「見落とせないのは、サ イデンステッカーの永井荷風にたいする強い関心と尊敬の念である」と述べておられる。実際サイデンステッカーが永井荷風を一番好きな作家だと書いている文 章が存在するのだ。"

2009年8月25日火曜日

2chが、小沢一郎の「農協、相手にする必要ない」発言に激高している!

2ch スレッド:
【政治】「農協、相手にする必要ない」民主・小沢氏が批判: "民主党の小沢代表代行は25日、自由貿易協定(FTA)の推進に関し、 「我々はどのような状況になっても生産者が生産できる制度をつくると言っている。 何の心配もない。中央の農協、農業団体は官僚化している。相手にする必要はない」と述べた。"
まっとうな発言だと思うが、2chではみんな激高しているようだ。この小沢発言に激高するウヨ2チャンネラーは、しょせん農協の手先で、つまりヒャクショウだということが分かった。「ニッポン・ナショナリストの正体見たり、農村ウヨ」というところか。

民主党の「農村すりより」のマニフェストは、選挙が終われば反古にすればいい。所詮マニフェストとはそんなものだ。「民主党になればいくら貰えるか」だけを気にしていた農村票などは、大いに期待を裏切られさせたらいい。「お金のために投票した票」は、しょせんそれだけの票だ。民主党は国のためだけを考えて農村既得権集団が期待する利益は無視しろ。みんながそれを望んでいる。

不況で地価が下がれば道路の拡張が進む!

東京に帰ってきて、外苑出口から外苑東通りへ入ると、信濃町から四谷三丁目の間がすっきりしているのに気がついた。あそこでこの10年、一軒だけで頑張ってきたお茶屋(緑茶を売る店)が遂に立ち退き、道路拡張工事が始まっているのだ。東京の地価公示価格の下落が原因か。

どういう関係があるかというと、道路拡張のための用地買収価格は公示価格を基準にして決められる。公示価格が毎年上がっていると地権者としては売らずに待った方が得なので用地買収に応じない。逆に公示価格が下がり出すとみんな慌てて土地収用に応じる。昨年からの世界不況でこの地主も粘っても得しないと判断したのだろう。いいことである。

周りには街路樹にサルスベリが植えられている。サルスベリの街路樹とは東京では見かけないが、紅い花がとてもきれいで熱帯化した東京によく似合う。

ところでうちのサルスベリだが、周りの木が伸びすぎて日当たりが悪くなり近年花を着けなかったものだが今年は少しだけだが花を着けた。伸びすぎたヒメリンゴに褐色葉枯病が発生して透き透きになったからサルスベリにも日が当たるようになったのだ。

外苑東通りも世界大不況も、サルスベリも褐色葉枯病も、みんな「人間万事塞翁が馬」なのである。

8/25 Today 種子島に鉄砲伝来(1543)

鉄砲伝来 - Wikipedia:”『鉄炮記』によれば、種子島への鉄砲伝来は天文12年8月25日 (旧暦)(ユリウス暦1543年9月23日)の出来事で、大隅国(鹿児島県)種子島西之浦湾に漂着した中国船に同乗していたポルトガル人(「牟良叔舎」、「喜利志多佗孟太」)が鉄砲を所持しており、鉄砲の実演を行い種子島島主である種子島恵時・時尭親子がそのうち2挺を購入して研究を重ね、刀鍛冶の八板金兵衛に命じて複製を研究させる。”
この「西之浦湾」というのは、どこだろう?

どうも、現在の「西之表港」にあたるようだ。それ以外に種子島の西側に湾なんてないもの。

西之表市では毎年8月25日あたりには鉄砲祭りが行われる:

西之表市で『第40回種子島鉄砲まつり』【2009年のイベント】旅行サイト『プチたび』 - puchitabi.jp: "2009年8月23日(日)10:00〜、西之表市で『第40回種子島鉄砲まつり』が開催される。1543年(天文12年8月25日)に日本で最初に鉄砲が伝来したのを記念して行なわれる種子島最大の祭り。伝統行事の太鼓山、みこし、時代絵巻をほうふつとさせる南蛮行列などが繰り出す。23日(日)21:00〜21:30は約3000発の花火も打ち上げられる。太鼓山行列(10:00〜14:00) 、南蛮パレード(15:30〜17:30)。"

2009年8月24日月曜日

2ch が麻生首相の「金がないのに結婚しない方がいい」発言で盛り上がっている!

2ch板:
【政治】麻生首相「金が無いのに結婚はしない方がいい」

今の時間でもう板が11も立っているから一晩で1万件を超える書き込みがあった勘定となる。「金」と「結婚」は2チャンネラーの琴線に触れるキーワードなのである。もちろん全部読んだわけではないが、だいたいがケシカランというもの。おいらは麻生発言の発言根拠自体が間違っている(麻生はお金の計算が出来ない男だ)と思うが、残念ながらそういう2チャンネラーの発言は見あたらなかったので、おいらの意見を書いておく。

お金がないから結婚できないは間違っているだろう。一人で生活するより結婚して二人で生活する方が一人あたり固定経費が少なくなる。お金がなければ結婚して節約しようという発想であるべきだ。現に北ヨーロッパではそういう感覚。

ところがニッポンでは(南ヨーロッパでもそうらしいが)「お金がないと結婚できない」という発想になる。なぜだろう?

これは子どもが成人しても親と同居する風習が根強いことが原因である。親と同居しておればもろもろの経費がほとんどタダである。ところが結婚すると自分で出さねばならない。生活程度が下がるのだ。これがおかしい。この問題に少子化対策の焦点を当てるべきだと思う。

おいらの具体的な提案:
  1. 成人した子どもの扶養家族控除(38万円)を廃止する。親は当然その部分を子どもに請求することになるから、子どもが両親に寄生すると云うことがなくなる。
  2. その分増税となるが、その分(38万円)を若年者住宅手当を創設しそれに回す。子どもが独立した生活をはじめるとそれが貰えるのだ。
  3. 子どもを家から追い出しさえすれば、後は簡単。結婚した方が生活が楽になるから、どんどん結婚することになる。結婚すれば子どもは出来てしまうだろう。

8/24 Today ポンペイ最後の日(79)

ポンペイ - Wikipedia: "ポンペイ(ラテン語:Pompeii、イタリア語:Pompei)は、1世紀までナポリ近郊にあった都市で、イタリアの世界遺産である。79年8月24日、ヴェスヴィオ火山が大噴火し、一昼夜に渡って火山灰が降り続け、翌25日に完全に地中に埋まった。

ポンペイとその周辺の別荘からは多数の壁画が発掘され、古代ローマの絵画を知る上で重要な作品群となっている。ポンペイの壁画の様式には年代により変遷が見られ、主題も静物、風景、風俗、神話と多岐にわたっている。男女の交わりを描いた絵も有名で、これらはフォルム(市民広場)や浴場や多くの家や別荘で、よい状態で保存され続けていた。1000平方メートルの広さをもつホテルは、町のそばで見つかった。現在、このホテルは、「グランドホテルMurecine」と呼ばれる。"

当時の人の生活ぶりを見ると、人間は昔から大して進歩していないことがよく分かる。

それにしても、一発こういう火山噴火があると地球の気候はどうなるのだろう。温暖化ガスの増加は科学的に計算できるとしても火山噴火は科学的に予測できない。また大隕石が落ちてくる確率もある。太陽の黒点が急減する可能性もある。そういう不確実性を無視して計算できるものだけをベースに「科学的な」予測をするということは、非科学的じゃないのか。

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小さいのしか出てこないな。

2009年8月23日日曜日

NHK海外ネット「被爆者の思いを世界へ マレーシアで原爆展」

NHK海外ネットワーク - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]NHK海外ネットワーク ▽被爆者の思いを世界へ マレーシアで原爆展 
参加した真面目な女子学生は「日本は加害者でもあり、それが海外でどう捉えられているのか知りたかった」と語っていた。もしそうなら、どうしてマレーシアなんかに行ったのだろう?

隣の国にまず行くべきではなかったか。それと、もちろん中国に。

案の定、マレーシアでは歓迎され、関係者は「ニッポンは被害者」という自己満足に浸ることが出来た。まさにNHK的報道ぶり。NHK海外ネットワークだけは、今まで「ニッポンナショナリズム」とは一定の距離を置き、わりかしまともだっただけに、惜しい。

最近なにも読むものがなくなったので「聖書」を読んでいる。今日は「エレミア書」。神は契約を守らず悪行を行ったユダとイスラエルの民に過酷な罰を与える。国が滅ぼされ、女性はレイプされ、男は殺され、生き残ったものは奴隷となるのだ。これほどまで罰しなくてもいいのにと思うほど、徹底的に罰する。これがイスラム教までをも含む一神教的世界の価値観。悪いことをやっても被害者を気取るニッポン人は罪と罰の意識が希薄すぎるのである。

なにも世界基準に合わせないといけないとは言ってないが、所詮「ローカル」なニッポン基準を世界に普遍化しようと、「NHK的」に画策しても、今のニッポンの実力では逆効果になるだけだと思う。

離農支援制度を整備せよ - 左思右想……いいこと言っている!

この人、がりがりの「農村への利権誘導主義者」だと思っていたが、たまにはいいことを言う:
離農支援制度を整備せよ - 左思右想: "今の農政に足りないのは、離農しやすい制度。

離農のための制度が整備されていないために、現状では、離農した元農家が、営農が継続されなくなった農地の所有を続けるために、耕作放棄地がでやすい状態になっている。農地改革の精神の原点に立ち返り、離農した時点で、農地の所有権を放棄したと見なして、就農希望者に提供した方が良いのではないか。"
その通り。

そもそも「耕すものに農地を」というのが戦後の農地解放の精神だった。耕さなくなったものは農地の所有権をそもそも主張できないはずだ(そもそも耕すからといってタダで貰った農地だ)。それがいつの間にか「神聖な私有財産」として絶対的なものとなってしまった。

もともとの農地法にはまだこの農地解放の精神が残っていたが、改正農地法ではそれさえ後退してしまっている。これでは日本は権利ばかりを主張する「成田の一坪地主」のようなエゴイスティックな「偽装農家」に振り回され続けることになり、ニッポンはいよいよ「成田空港化」し、国際的に競争力を失い、国民は今以上にさらにビンボーになることは、避けられない。

8/23 Today 諸葛孔明が死ぬ(234)

諸葛亮 - Wikipedia: "諸葛 亮(しょかつ りょう、181年 - 234年)は、中国後漢末期から三国時代の蜀漢の政治家・武将・軍略家・発明家。字は孔明(こうめい)。234年春2月、第五次、最後の北伐に出た。この戦いで諸葛亮は屯田を行い、持久戦の構えをとって五丈原で司馬懿と長期に渡って対陣する。しかし、頼りにしていた呉が荊州と合肥方面の戦いにおいて魏に敗れ、司馬懿は大軍を擁しながら防御に徹して諸葛亮の挑発に乗らなかった。病に侵されていた諸葛亮は、秋8月(『三国志演義』では8月23日)、陣中に没した(五丈原の戦い)。享年54。"


これだけの業績を上げた人だが、死んだときは54歳だった。おいらみたいな凡人は、ただいたずらに馬齢を重ねるのみ。

2009年8月22日土曜日

小泉純一郎も民主党への投票を呼びかける!

asahi.com(朝日新聞社):小泉元首相「政権、たまには民主に」 愛知で演説 - 政治: "「みんなが『政権交代』と叫ぶ中、たまには民主にとらせてもいいかなと思う。一度は政権交代させないと、この風を止めるのは容易じゃない」。自民党の小泉元首相は22日、愛知県小牧市での小選挙区の自民候補の集会で、こう演説した。"
小泉純一郎は、実にものの分かったやつだ。尊敬する。

自民党は昔の「ノーソン自民党」に先祖帰りしている。お金を都市住民から搾取して、すでにお金をしこたま持っている農村既得権集団へ更なる所得移転を画策する姿勢は、農協にカツアゲされてマニフェストを替えてしまった民主党よりよほど鮮明。金にまかせて大手広告代理店を使いマスコミを煽り、ナイーブな都市主婦層を洗脳する姿勢は、ナチのやり方そっくり。

郵政民営化で小泉自民党に投票した都市住民は、今、その自民党からひどい裏切りにあっている。小泉が言うとおりだ。「ノーソン」の利益代弁者に先祖帰りした自民党には、いまこそ「お尻ぺんぺん」してやらないといけない。でないとニッポンはますます落ち目の一途をたどり、みんなが貧困化するのである。

8/22 Today リチャード三世が戦死(1485)

リチャード3世 (イングランド王) - Wikipedia: "リチャード3世(Richard III, 1452年10月2日 - 1485年8月22日)、ヨーク朝イングランド王(在位:1483年 - 1485年)。エドワード3世の曾孫ヨーク公リチャードの八男。即位前はグロスター公。薔薇戦争の最後を飾るイングランド王であり、戦死した最後のイングランド王である。

1485年、ランカスター派のヘンリー・テューダーがフランスから侵入し、ボズワースの戦いで自ら軍を率いて決戦する。この戦いでリチャードは味方の裏切りに遭い、自ら斧を振るって奮戦したが戦死した。遺体は当時の習慣に従って丸裸にされ晒された。

リチャードはシェイクスピアによって、ヨーク朝の後継王朝であるテューダー朝の敵役として性格・容姿ともに稀代の奸物として描かれ、その人物像が後世に広く伝わった。"
己の肉体的劣等感を強烈な権謀術数と権力欲に昇華させた男の生涯。最後は「馬をもて!」と叫びながら戦死。

ローレンス・オリヴィエの映画がいいよ:
リチャード三世(1955) - goo 映画

生まれつきの善人もいるし、生まれつきの悪人もいる。それが世の中。

2009年8月21日金曜日

BSジャパン: 地主様がお儲けになる有料老人ホームビジネス

この業界の実情がよくリポートしてあって、参考になった:
高齢者の住まいが足りない 地域がスクラム 新しい仕組みの高齢者住宅を追って。 - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]:"高齢化の進展で介護を必要とする人たちの受け皿づくりが急務となる中、岡山市の企業が運営する有料老人ホームが注目されている。

新しい枠組みで運営される有料老人ホームは土地を提供する「地主」と医療・介護サービスを提供する「病院」、そして施設の管理運営を手がける「企業」が三位一体となって取り組むことで実現するビジネスモデルだ。番組では有料老人ホームの提携に踏み切った地主や病院関係者の声はもちろん、不動産投資としてのメリットなどに関する税理士のインタビューなどを交えながら、新しい土地活用や老人ホーム経営などについて考えます。"

関係者(医療関係者、建設関係者など)がそろって「地主」のことを「地主様」と呼んでいたことが印象的だった。このビジネスでは、地主が「オーナー」となるのが一般的であるようだ。そりゃ、使い道のないような危険な崖地でも何でもかんでも有料老人ホームにするわけじゃ(最近、崖崩れで埋まってしまう有料老人ホームの事故が相次いでいる)。「地主様」の相続税対策にも有利だという。

「有料老人ホーム」ビジネスは、ぼったくりビジネスだと思う。死ぬまでいさせて貰うだけで数千万円のお金を払わないといけない。「地主様」(オーナー)としては入居者が早く死んでくれれば丸儲け。貰ったお金は返さない。長く生きれば損するので早く死んでくれる方がいい。ビジネスモデル自体に、サービスを悪くすることに対する経済的インセンティブが存在するわけであり、こういうシステムでは入居者の福祉が保証されるわけはない。

フィリピンやインドネシアの介護士の入国を自由化しさえすれば、すべての老人が安い費用で「在宅介護」を受けることが出来るのに、これが(外国人介護士の入国が)阻止されている背景には、こういう事情(「地主様」の反対)がある。

これに限らずニッポンの公共事業とかは、そのほとんどが「地主様」を儲けさせることだけを目的として企画・立案されている。これが日本の国土と経済を著しく歪めている。

大前研一:「民主党の”七夕の短冊”マニフェストは真面目に受け取るな!」

これでちょっと安心した:
大前研一「ニュースの視点」Blog:KON275衆院選直前特別企画第2弾!~マニフェストを「マジメ」に受け止める必要がない~大前研一ニュースの視点~:

 "私に言わせれば、マニフェストが発表されたところで、それを
 「マジメに」受け止める必要はないと思います。

 今回の民主党にしたところで全く同じです。さらに言えば、
 マニフェストの内容そのものに目を向けても、むしろ「忘れられた
 ほうが良い」と言うほどお粗末なものだと私は思います。
 何よりも、マニフェストとしての大前提・体裁が整っていません。

 例えるならば、「七夕の短冊」のようなものです。民主党の有力
 議員がそれぞれ好き勝手に思いつきを述べたものを、誰かが中
 心となってまとめるでもなく、単につらつらと書き綴っただけ
 の「アイディア集」です。"

そう「マジメ」に実行すれば国債暴落とハイパーインフレは避けがたいもんな。

明治維新の時「尊皇攘夷」をマニフェストとして戦った反乱軍(薩長勢力)は、政権を取るや否や「開国」に踏み切る。薩長もそれほどアホでもなかったのである。民主党もそれほどアホでもないことを祈るのみ。

英エコノミスト誌もニッポンを嘲笑!

鳩山氏の攻撃する間違った敵 - 池田信夫 blog: "Economistの総選挙についてのコメントも、Newsweekとほとんど同じだ。鳩山由紀夫氏の「友愛」は、日本人だけでなく西洋人にも理解できないようだ。すでに鉄壁の保護を受けている農民を「グローバリズムから守る」ことがfraternityだって?

世界の有力誌が、ほとんど同じように鳩山氏の「市場原理主義」批判を嘲笑しているるのは、偶然ではない。これから首相として国際舞台で演説することになる鳩山氏は知っておいたほうがいいと思うが、市場原理主義とかグローバリズムというのは、欧米では無知な左翼の使う言葉である。こういう言葉を使っているだけで、鳩山氏は世界の常識を知らない田舎者として無視されるだろう。そしてこれが日本の株式市場の主役である外人投資家の見方でもある。"


ニッポンがこれほど世界から注目されるのはホントに久しぶり。でも揃いも揃って「だめな日本」という紹介のされ方。年寄りは「衰退の美学」に酔いながら余生を生きるしかないか。

名言集に収録する言葉:「市場原理主義とかグローバリズムというのは、欧米では無知な左翼の使う言葉である。こういう言葉を使っているだけで、鳩山氏は世界の常識を知らない田舎者として無視されるだろう。」

8/21 Today 弓削道鏡が失脚(770)

道鏡 - Wikipedia: "道鏡(どうきょう、文武天皇4年(700年)? - 宝亀3年4月7日(772年5月13日))は、奈良時代の法相宗の僧。祈祷の力をもって王家に取り入って権力を握り、政治に容喙したことから、よく帝政ロシア末期の怪僧グリゴリー・ラスプーチンと対比される。神護景雲4年(770年)に称徳天皇が病死すると、道鏡は葬礼の後も僥倖を頼み称徳天皇の御陵を守ったが、神護景雲4年8月21日、造下野薬師寺別当(下野国)を命ぜられて下向し、赴任地の下野国で没し庶人の待遇で葬られた。"
女性天皇をたぶらかした悪い坊さんというイメージだが、最近道鏡を再評価する動きがあるらしい。

八尾市にある道鏡のファンクラブ:
道鏡を知る会メインページ:”この会は、植松の郷土史家 山野としえさんが、郷土文化誌の「河内どんこう」(昭和50年[1975年])に『植松風土記』を連載されていた時期の、昭和55年(1980年)「続日本紀」の弓削道鏡と称徳女帝の竜華寺参拝のくだりと今の植松の歴史を紹介し、悪僧と世情呼ばれているとなり村の弓削出身の道鏡さんが、実は立派な学識を持った人物であることを紹介したことにはじまります。”

人の評価は、生きているうちは決められない。死んでからでさえ、決められない。

2009年8月20日木曜日

Newsweek でも「だめな日本」特集!

Fading Japan - 池田信夫 blog: "今週のNewsweekのアジア版のカバーストーリーは、また「だめな日本」。しかも民主党政権はそれをさらにだめにするだろうというご託宣だ。曰く:「このまま衰退すると日本は——歴史上ながくそうだったように——中国の傍の小国になるだろう。外交戦略もなくFTAにも消極的な日本が、アジア経済圏の中心になれるはずもない。世界市場で日本が今の地位を維持するだけでも思い切った規制改革と市場開放が必要だが、マニフェストに「成長」の文字さえなかった民主党にそれを期待するのは無理だろう。」"

言ってることは「正論」だけに、いやになるな。

ところが、日本ではこういう報道に接すると「ニッポンはこれでいいのだ〜!」と絶叫する天才バカボンが実に多いのである。問題の所在すら認識できないでいるのだ。そういう「空気」が日本を支配している。坂口安吾じゃないけれど、こりゃ「いったん墜ちるところまで正しく墜ちつことが必要とされている」のかも知れない。みんなビンボーになってはじめて自分がバカだったことに気がつくのである。

「日本ほど早く没落した国も珍しい」「かつての超大国・日本、なぜ世界のリーダーになれなかったか」…米誌

2chでの話題:
【国際】「日本ほど早く没落した国も珍しい」「かつての超大国・日本、なぜ世界のリーダーになれなかったか」…米誌★2:"米誌「World Policy Journal」夏季号は「日本はなぜ世界のリーダーになれないのか?」 と題した記事を掲載した。新華網が伝えた。

記事は、かつて経済超大国として世界のリーダーにもなり得る存在と目されていた日本だが、 今や中国やインドなどの台頭によりすっかり影が薄れてしまったと論じた。記事によれば、 日本は過去40年間、世界第2位の経済力だけを武器に国際社会で高い影響力を発揮してきたが、 もともと政治や軍事面での実力は伴っていなかった。第2次大戦後、奇跡的な経済成長を 遂げた日本だが今やその伝説も幻となり、大国としての地位すら危うい。

こうなると国際貢献のあり方も変える必要に迫られると記事は指摘。これまでのように 「何でも金で解決」という訳にはいかなくなるだろう。日本はすっかり国際社会に おける自らの役割を見失ってしまった。国内政治も混乱が続いており、今後の見通しは暗い。 記事は、これほど短期間で国際地位が暴落した国も珍しい、と日本の没落ぶりを強調した。 "

2チャンネラーどもの激高ぶりが面白い。原因ははっきりしているのに、それにまるで気がついていないのが2チャンネラーたる所以。

要は、今まで日本の勤労者が血のにじむ思いをして稼いだ富を、働かないで分配だけを要求する輩にすっかりばらまいて無駄遣いしてしまったからに他ならない。全部飲み食いに使ってしまったのだ。その結果、残ったのはイナカの箱物とメタボ現象だけとなった。

2009年8月19日水曜日

NHK:「ちょっと変だぞ 日本の自然」……ああ、クサイ!

憂鬱にさせられたこの番組:
NHK 番組表: "日本各地で身近な自然に異変が起きている。外来生物の侵入などによって生態系のバランスが崩れようとしているのだ。異変の原因を探り、環境を守るために何が必要か考える。"
外来種はなんでも危険だという。「環境攘夷主義」がニッポンを風靡している。

松が枯れているのは外来生物のおかげだという。でもそもそもマツなんて、ニッポンの古来からの植物ではない:
「日本の雑木林はニセモノだ、本来の森に帰せ」(宮脇昭): "マツにしてももともと条件の悪い山頂部などに限定して生えていただけのもの。それが人間が広げてしまった。マツクイムシの大発生は自然の摂理。"

最近しつこく繰り返されるNHKの「環境攘夷主義」番組は、ニッポンの農村利権集団が資金提供している「外来動植物排除の攘夷キャンペーン」の一環だろう。あいつらがこれこそニッポン文化だと主張する「コメ」だって、元はといえば外来植物だと言うことは全く忘れられている。

べらぼうに高率の「隠れた消費税」を払わされている若者たちは可哀想!

昼にラーメンが食べたくなって、某所にある「製麺所直販所」に赴く。口コミ情報が広がったためか、昼前から若者たちで大賑わい。テニスの合宿に来ている大学生みたいで、みんな若くて、その食べること食べること。大盛りは言うに及ばず、さらに替え玉とか、各種のトッピングとか、半炒飯とか、いろいろ付加価値を付けて、壮大に召し上がってました。若いっていいですね。でも、気になったこと二つ。一つは栄養の偏り。必須アミノ酸が足りていない。マクドの方がよほど合理的だと思うのですが、カロリーだけのラーメンを食べて筋肉が付くのかしら。もうひとつはお勘定。勘定を払っているのを見ると、足していくと結構な金額になっている。そんなにお小遣いを貰っているわけでもないだろうに、大丈夫かな。

いろいろ考えてみると、これこそが、現代ニッポンにおける弱者への経済的搾取システムの象徴的な光景だなと思った。食い物の値段が異常に高いのである。金持ちや高齢者は食い物にそんなにお金をかけないので、被害が相対的に少ないのだが、高い食品価格は低所得者層や食べ盛りのこどもを持つ子育て家計を直撃している。それは「隠れた消費税」として機能し、食べ盛りの若者たちから農村地主資本家への所得移転をもたらしている(この国際価格との差額(マークアップ分)は農村地主資本家に配分されることとなっている。小麦の場合、麦等輸入納付金などで)。

日本のエンゲル係数は米国の二倍にも達する。食い物に限って言えば100%の消費税を掛けられているに等しいと言える。消費税を上げる上げないの議論が選挙を前にして姦しいが、現実にいま存在するこの高率の「隠れた消費税」については誰も議論しない。おかしなことである。

国産の食い物が高いことは、高所得者や高齢者にとっては所詮どうでもいいことで、全般的に消費税率が上がるより、低所得者層を狙い打ちする「隠れた消費税」の方が都合がいい(それにものの分かった人たちは輸入食品を選んで買うことである程度被害を食い止めることが出来る)。でも、弱者が被害者となっているこのようなひどい現実に目をつぶるのはあまりにエゴイスティックな態度だろう。おいらは義憤を感じる。

それにしても、日本共産党までが農村の味方をして、都市低所得者層の不利益になる農業政策を主張しているのは全く理解が出来ない。しょせん「票のためには良心までも売る」輩だ。背景には「一票格差」問題がある。

asahi:米国内の紙幣、9割にコカイン付着 米大が調査

おどろき、桃の木、山椒の木:
asahi.com(朝日新聞社):米国内の紙幣、9割にコカイン付着 米大が調査 - 国際: "コカインは、密売や吸引の際に紙幣に付着したあと、金融機関で束ねられるときなどに他の札にも広がっているらしい。"

伝染するのはインフルエンザばかりじゃないのだ。

Audi Cabriolet : ルーフを手動で開閉させる方法

三回目のトラブル。その都度、取扱説明書と首っ引きであれこれ苦労するのだが、非常に分かりにくい。ヒューズボックスに格納してある特殊な二重構造のハンドルを使うのだが、差し込むところが二個所あり、それぞれ時計回りに回せとか反時計回りに回せとか、とにかく混乱するのである。マニュアルを精読し、やっと理屈が理解できた(マニュアルに記載間違いあり、一個所ロックとアンロックの記述が逆になっていた、これも混乱の原因)。メモ:

  1. 特殊なハンドルの赤い部分をゆるめた状態が「ベーシック」。この状態でハンドルを穴に突っ込む。
  2. 1/4回転時計方向に回す。それから赤い部分を時計方向に最後まで回す。これでハンドルが操作可能になる。
  3. ハンドルを反時計方向に回すとロックされる。時計方向に回すとアンロック。これがキモ。普通は反対だと思うんだけどね〜。
  4. 手動で幌を出すには、まず後部トランクのリッドをアンロックし、手で幌を引っ張り出してから、再度ロックする。
  5. 次いで、幌を前まで伸ばし、フロントウインドウの上で、まず幌の爪をアンロックする。それからおもむろにロックする。完全に幌がロックされて、おわり。


尚、時々電動での開閉が出来なくなるのは、油圧ポンプに過大な圧力が掛かったときの安全装置が作動してしまうためらしい。30分ぐらい涼しいところで放置しておくと直る。これも不思議な現象で、知らないとますます混乱してしまうのであったが、これで分かった。

2009年8月16日日曜日

『悲しきトカラ 平島生活記録』(稲垣尚友)

たまたま読んだかなり古い本だが、おすすめ:
悲しきトカラ―平島生活記録 (ニュー・フォークロア双書)
著者は東京生まれの「インテリ」作家。都会での生活にある種の幻滅を感じ、トカラ列島の平島に「逃避」する。そこで生活すること、実に13年間。結局、この著者はトカラからも「逃避」することになる。記述が実に具体的で細々と描写的。これはある意味ニッポンの農村そのもの。最近の「自分探し」をするために「農村に憧れる」青年諸君は、ぜひこれを読んでから決断した方がいい。

これを読むきっかけになったのは、先の日食騒ぎの際、トカラ列島(十島村)の村役場が、日食観察をしようとやってくる渡航者に対し法外な渡航ツアー料金を請求し、払わないヨットなどでの渡航者は不公平だとして島から退去することを求め、「不法渡航者」を摘発するために「山狩り」までしたという「事件」。それでかの地の風土に興味を覚えたもの。事件とは:
Letter from Arari Port: 日食:ヨットでトカラ列島に来てはいけないそうです

この本を読んで、なんとなく分かりましたよ。具体的記述は常に価値が高いのである。

それにしても面白かったのは、かの離島の土地相場。鹿児島県は、膨れ上がるばかりの離島の行政サービスコストを削減するために、離島の無人化を進めている。でも誰もそれに(離島に)応じない。ここで生活している限り一定の生活は保障されているからだ。土地を売るなら「坪4〜5万円」が相場だという(昭和40年代の話ですよ)。べらぼうな値段だと思うが、土地価格の「収益還元法」を広義に適応すれば、実に合理的な住民判断なのである。自分がその土地を活用していくらの利益を出せるか、それを金利で現在価格に換算したものが「収益還元方法」による地価であるが、「その土地に住んでいることでいくらの行政的補助金を貰えるか」という観点から収益換算すれば、昭和40年価格での坪4〜5万円も、大いに経済的にあり得る値段なのである。

ニッポンの「イナカバラマキ政策」は、こういうことからも、経済合理性を大きく歪曲させていることが分かる。これではニッポンは落ち目まっしぐら。実に勉強になった。